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2015年12月19日(土)

深夜手当の範囲不明確な裁量労働制

ソニーに是正指導

仙台労基署 労組の告発受け

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 ソニーの裁量労働制(社内名称「エキスパート制度」)の運用が労働基準法に違反している疑いがある、とソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)が告発していた問題で、仙台労働基準監督署が「労基法違反の疑いが濃厚」だとして、是正を求める文書指導などを行っていることが、18日までに分かりました。


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(写真)ソニー仙台テクノロジーセンター=宮城県多賀城市

違法の疑い濃厚

 ソニー労組仙台支部は、ソニー仙台テクノロジーセンター(仙台TEC、宮城県多賀城市)に勤務する労働者が昨年記録した労働時間をもとに、深夜労働の時間に応じた割増賃金の支払いが行われていないことなどを指摘。労働局に調査・指導を要請していました。

 ソニーでは、1日7時間45分がみなし労働時間とされ、残業代25時間分に相当する「エキスパート手当」が支払われます。会社は本紙に対して、「深夜割増賃金は、エキスパート手当に含まれている。その割合は非開示だ」と回答していました。

 同労組が労基署から受けた説明では、▽エキスパート手当のなかの深夜手当の範囲が不明確▽就業規則に裁量労働制「エキスパート制度」の記載がない▽深夜帯の労働時間を台帳で管理していない▽協定内容が実態に合っていない―などの問題点が指摘されました。

 仙台労基署は、仙台TECだけの問題とせず、ソニーの全社的な制度としての報告を求めています。ソニー本社は本紙に対して「仙台労基署から直接の照会はない」と答え、仙台TECを経由した問い合わせについては明らかにしませんでした。

 勤務記録をつけた労働者の労働時間をみると、残業は月平均で約65時間、最長94時間でした。このうち深夜労働は月平均5時間(最長10時間)となっており、約4500円の割増賃金が発生します。

 2015年3月の時点で、ソニー本体の従業員1万2000人強のうち、裁量労働制で働く労働者は、3分の1近い4000人以上にのぼります。


 裁量労働制 業務遂行の手段や方法、時間配分などを大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務について、実際の労働時間ではなく、労使協定であらかじめ定めた時間だけ働いたものとみなすという、労働基準法の労働時間規制の例外規定です。「専門業務型」と「企画業務型」があります。深夜(午後10時〜翌日午前5時)と休日の割増賃金については時間に応じて支払わなければなりません。


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