2015年11月30日(月)
東京海上 未払い保険金2万6000件超
大門氏調査 5カ月で解決1.2%
東京海上日動は、昨年公表した不払い保険金の支払い作業を進めていますが、最近5カ月間で、残った未払いのわずか1・2%しか支払いできておらず、いまだに約2万6000件超が未解決であることが29日、日本共産党の大門みきし参院議員の調べでわかりました。不払いを10年近く放置した東京海上の責任が強く問われる事態となっています。
昨年5月、同社は2002年4月から03年6月に発生した「臨時費用」と呼ばれる保険金の不払いが18万2436件、総額40億円(利息含む)にのぼることを明らかにしました。
今回、大門議員が金融庁に請求した資料によると、東京海上が昨年から支払ってきた件数は15万6135件(10月31日時点)となっています。依然、2万6301件の不払いが未解決のままです。
支払い状況をみてみると、今年5月末時点の解決件数15万5793件と比べ、わずか342件分増えただけ。5カ月かけても残り件数のわずか1・2%しか解決が進んでいなかったことになります。
不払いを長年、放置した結果、契約者の死亡や転居で連絡が取れなくなったことが遅れの原因とみられます。
不払い問題をめぐっては、同社の現役社員が同社の組織的な不払い隠しの責任を押しつけられ、名誉を傷つけられたとして、東京地裁で民事訴訟を起こしています。
10月の本人尋問で社員の男性は、今回不払いが発覚した02年4月以前の部分についても「会社は05年5月時点で抽出リストを正確に作成して支払い漏れを把握していた。(00年4月から02年3月までの2年分が)未払いのまま残っていると思う」と証言。さらに未払いが増大する可能性を指摘しました。
社員の男性は「保険会社は公的な役割も担っており、社会の公器でないといけない。お客さまに対して説明責任を果たすべきだ」と訴えました。
本紙の取材に対し東京海上は「回答は差し控えさせていただきます」としており、同社の姿勢が問われます。