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2015年11月23日(月)

入門 ブラックバイト護身術

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 学業に支障がでるような働かせ方を学生に強いる「ブラックバイト」が大きな問題になっています。ブラックバイトから身をまもろうと、岐阜大学で先ごろ開かれた学習会を題材に、「ブラックバイト護身術」を考えてみました。「○」か「☆」か、さあ、どっち?(原田浩一朗)

Q1 契約書の作成は必要?

○必要 ☆不要

 私はアルバイトを始めるとき、契約書を作成しませんでした。契約書の作成って、必要ですか?

A1 ○必要

 パートやアルバイトでも、(1)「昇給」「退職金」「賞与」の有無について、(2)「更新の有無」、更新ありの場合は「更新の判断についての基準」についてなど、書面による労働条件の明示が会社に義務づけられていますので、契約書の作成が必要です。契約書は、何かあったときのためにとっておきましょう。募集の際の条件も保管しておきましょう。(求人誌のコピーなど)

Q2 試験前、バイトを休めない?

○休めない ☆休める

 コンビニのバイトをしています。大学の試験勉強のため、バイトを休みたいと思い、休む1カ月前、シフトを組んでいない段階で、店長に申し出たら「繁忙期だから、休んでもらっては困る」といわれました。バイトを休んではいけないのですか?

A2 ☆休める

 シフトを組む前でもあり、店長等がシフト操作をできる余裕もあります。「学生は学業が最優先」を忘れないようにしましょう。バイトは正社員より責任が少ない立場。学生バイトが試験期間に休んでもシフトが回るように従業員を採用するのは使用者の責任です。※曜日、時間が契約上明確に定められている場合でも、学生バイトを雇う以上は、試験などでシフトに入れないことを当然の前提として雇い入れているのですから、そのような条件付きの労働契約が成立していると考えるべきです。

Q3 バイトは有給休暇をとれない?

○とれない ☆とれる

 洋服売り場でアルバイトを続けて1年半になります。1日8時間、週3日働いています。友だちと旅行にいくことになり、バイトを休もうと店長に相談したところ、「バイトは有給休暇とれない」といわれました。バイトは有給休暇をとれないんですか?

A3 ☆とれる

 アルバイトでも勤続半年から有給休暇を取れます。有給休暇の日数は、勤続期間に応じて、週の労働時間が30時間超の場合と、30時間未満の場合は週の出勤日数に応じて決まっています。たとえば、週30時間未満の3日勤務のアルバイトなら、半年で5日の有給休暇が付与されます。

Q4 レジ打ちのミスは自己負担。仕方ない?

○仕方ない ☆仕方なくない

 レジ打ちのバイトをしています。レジ内の残額が記録上の金額より少ないと、店員が負担する仕組みです。この前打ちミスをして、店長から「契約書にも書いてあるだろ。ちゃんと払ってくれ」と言わました。ミスしたのは自分だから仕方ないですよね?

A4 ☆仕方なくない

 通常業務で発生するものであれば賠償義務はありません。お皿を割った場合の損害も同様に使用者の負担です。使用者は労働者を自らの事業に従事させることによって利益を得ているのですから、事業に伴うリスクは使用者が負担しなくてはなりません。※ただし、労働者の過失が大きい場合には、損害の公平な分担の見地から、信義則上相当と認められる範囲で労働者が賠償責任を負う場合もあります。

Q5 代わりを連れてこないとやめられない?

○やめられない ☆やめられる

 今のバイト(期間の定めなし、時給制)を10月末まででやめたいと思い、10月10日に店長に「今月いっぱいでバイトをやめたいです」と言いました。店長から「代わりを連れてこないとやめることはできない。代わりを連れてこないなら、その分の損害金を払え」と言われました。代わりを連れてこないとバイトをやめられないのでしょうか。

A5 ☆やめられる

 期間の定めのない労働契約については、労働者側はいつでも解約の申し入れをすることができ、解約の申し入れから2週間を経過することによって終了します。「解約申し入れ」は書面の方が証拠になります。

 会社側からの解約は厳しく制限されており、客観的合理性、社会的相当性を欠く解雇は無効です。また、解雇日の30日前の予告、または解雇予告手当ての支払いが必要になります。

 ※ここは難しい話なので、もし解雇されたら労働組合か弁護士に相談を。


労組結成・国会で追及…

世論と運動が追いつめてきた

 この間、各地でブラックバイトの違法行為を是正する学生のユニオン(労働組合)が結成され、実態調査や改善にむけた活動が広がってきました。

 日本共産党は昨年6月、政策「ブラックバイトから学生生活を守ろう」を発表し、国会でも取り上げてきました。

 こうした世論と運動に押されて、厚生労働省が9日、学生のアルバイトの実態を初めて調査した結果を公表。バイト経験があると回答した1000人のうち、60・5%に労働条件でなんらかのトラブルがありました。

 日本民主青年同盟、ブラック企業被害対策弁護団、首都圏青年ユニオンの代表が10月に「ノーモア賃金泥棒」プロジェクトを立ち上げました。

 実態調査や相談・学習とともに、権利を行使して職場を変える活動をよびかけています。インターネットでのアンケート、動画CMも発信中。「賃金泥棒」で検索してください。


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