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2015年11月16日(月)

新しい大阪へ11・22W選 さらば!橋下「維新」政治

帝塚山学院大学教授 薬師院仁志さん

分割統治は終わらせよう

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写真

(写真)薬師院仁志教授

 橋下「維新」がやっていることは、分割(分断)統治です。古代ローマ帝国以来、被支配者の団結を阻止しようとする分割統治は、支配者の常とう手段として用いられてきました。

団結を阻止する

 橋下「維新」は「水と油の自民と共産が組んで政策がまとまるはずがない」と、ことさらに自民と共産の分断を図ろうとしています。これは自民と共産の団結を阻止しようという分割統治そのものです。

 思い起こせば、5月の(大阪市廃止の是非を問う)住民投票のときもそうでした。市民は大阪市を廃止するかどうかで対立していたわけじゃないのに、対立を持ち込んでけんかをさせた。「維新」は対立を持ち込み分断させ、多数派を味方につけて支配するというやり方を続けてきました。

 ダブル選挙の争点は、府民・市民が分割統治をされていることに気づくかどうかです。

 民主主義は勝ち負けでも多数派支配でもありません。統治形態は、君主政(王政)=一人による統治、貴族政=一部の者による統治、民主政(民主主義)=全員による統治に分類されます。全員による統治、議会代表制では、多様な考え方を持つ代表が議会で話し合うことが必要です。

 議員選挙では、自民党の議員は自民支持者の意見を、共産党の議員は共産支持者の意見を議会で主張すればいい。しかし、首長選挙は違います。府知事は全大阪府民の代表です。大阪市長は全大阪市民の代表です。首長の座をつかんだ一党が、その政党だけの意見を押し通すのは独裁でしかありません。

 知事・市長は特定の政党の代表ではない。選挙で勝った政党がその政党の意見を押し通すのはだめだということを、住民投票を経験して大阪市民は気がついた。だから自民と共産が歩み寄ったんです。

 今度の選挙では、どの候補が自分の意見に近いかということ以上に、どの候補が全住民の代表にふさわしいのかを考えて投票することが必要です。その基準で投票の判断をしないと、4年間また同じことを繰り返してしまうと思います。

多様性を大事に

 橋下「維新」は今、自民党支持者と共産党支持者を分断しようと躍起になっています。

 だけど、水だって油だって生きていくのに必要なんです。水も油もあっていいじゃないですか。多様性を大事にしましょうよ。

 このダブル選挙では、多様性を大事にしながら、みんなが同じ大阪府民、大阪市民なんだと自覚し、分割統治はもう終わりにしようという気持ちを持つことが大事だと思います。

 (14日、大阪市内で開かれたシンポジウムで)


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