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2015年11月16日(月)

主張

野球賭博

球界あげて再発防止に全力を

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 巨人の3投手による野球賭博問題で、日本野球機構(NPB)のコミッショナーは3投手を無期失格処分にする裁定を下しました。指導・管理責任が問われた球団には1000万円の制裁金を科しました。今回の事件を機に、プロ球界は野球賭博の根絶に一丸となって全力を注ぐことが必要です。

モラルを後退させた土壌

 10月初めに発覚した巨人選手の野球賭博をめぐって、NPBの調査委員会は3選手らから任意に事情聴取などを行い、10日に報告書をまとめました。今回の裁定はNPBの報告書を受けたものです。

 報告書は、永久失格処分の対象となる八百長行為は確認されず、3人以外には有害行為に関わった確度の高い情報は得られなかったなどとしました。

 同時に報告書は「重要な関係者から十分な聴取の協力が得られず」「組織的全体像までを明らかにできているものではない」と調査に限界があったことを記しています。肝心の暴力団との関係はいまだに闇の中で、警察の今後の捜査の進展によって処分に変更もあり得るとコミッショナーは認めています。

 選手のロッカールームでは、お金を賭けてトランプなどをおこなう行為が珍しくなかった実態も報告されました。賭けごとのはびこる風潮が、選手のモラルを後退させ、野球賭博に走る土壌にもなったと言われており深刻です。

 プロ野球協約の第180条は、「賭博行為の禁止及び暴力団員等との交際禁止」を明記しています。選手、監督、コーチ、球団が野球賭博常習者と交際したり行動をともにしたりして、利益を収受・供与することなどを禁じています。それは、これらが八百長行為に結びつく危険があるからです。

 1969年に発覚した“黒い霧事件”は、その典型例です。暴力団が関与した野球賭博をきっかけに八百長が行われ、6選手が永久追放になりました。

 野球賭博は、暴力団などが黒い金銭で選手を誘惑し、不正な八百長試合に巻き込む反社会的行為です。徹底して排除しない限り、最高の技術が競い合いファンを魅了するプロ野球の存立基盤は破壊され、文化としての野球そのものが荒廃することになります。

 NPBも日本プロ野球選手会労組も「再発防止に力をつくす」と決意を新たにしています。暴力団など反社会的勢力との関係をいかに断ち切っていくのか、強い決断と実行にむけ、具体的取り組みが求められています。

 黒い誘惑を遮断するためには、選手のモラルの向上だけにとどまりません。選手、監督、コーチ、OB、球団や労組が共通の規範とし、順守を義務づける倫理規定が必要です。新人研修をはじめ教育の充実・徹底も必要です。

球団の体質改善も急務

 今回の調査でも大きな壁となっている球団の閉鎖的体質も問題です。NPBや球団、親企業が、まず反社会勢力の侵食を許さないとの断固とした態度を明確にすることです。選手の人権を保護しつつ、真相究明や調査にあたっては情報開示を最優先にすべきです。

 野球賭博などには、つねに警戒心を怠ってはなりません。プロ球界が組織をあげて野球賭博の根絶と暴力団の介入の廃絶に立ち向かうことを強く要望します。


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