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2015年11月2日(月)

米軍思いやり予算見直し

減額要求は当然だが 新基地経費は手つけず

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 財務省の財政制度等審議会の分科会は10月26日、来年度からの米軍「思いやり予算」にかかわる新しい特別協定の締結に際して、日本側の財政負担を減らす意向を示しました。日米地位協定上も支払い義務がない「思いやり予算」の減額・廃止に向けての検討は当然です。しかし沖縄県名護市辺野古の新基地建設費などには手をつけておらず、実際には米軍への支払いは増える一方です。

日本の負担異常

 審議会は、「労務費、光熱水料等、施設整備等について廃止も含めた見直しを行うことで、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)を減額していくべき」だとの姿勢です。

 審議会で配布された資料内の「米軍駐留国における経費負担の国際比較」の項目では、財務省自らが「日本は他の米軍駐留国と比較して負担割合は大きい」「光熱水料等、他国では必ずしも負担していない経費を我が国は負担している」と主張しています。

 比較対象として韓国、ドイツ、イタリアをあげ、各経費項目別で見ていますが(表)、各国の経費負担の割合が40%前後である一方、日本は74・5%だと指摘。日本の米軍への財政支援が、米国の他の同盟国と比べても異常であることを示しています。

 また「労務費の見直し」の項目では、「駐留軍等労働者の基本給等は、本来、地位協定に基づいて米国が負担すべきものであり、廃止も含め縮小を図っていく必要があるのでは」と提起しています。

全面的に廃止を

 ただ審議会が「思いやり予算」の見直しとしてあげる理由は、(1)「戦争法」の成立で日本の安全保障上の責務が拡大している(2)「思いやり予算」に加え「SACO(日米特別行動委員会)関係経費」「米軍再編関係経費」を負担している―ということです。

 特に(2)は、沖縄県名護市辺野古の新基地建設費を含んでおり、今後は大幅な増額要求が見込まれます。審議会は、こうしたところは手をつけない一方、「思いやり予算」内の労務費や光熱水料等などの部分的な経費のみを減らそうと腐心しています。

 審議会の資料によれば、在日米軍関係費は今年度、過去最高に達しています。そもそも「思いやり予算」は米側が全て負担すべきで、ただちに全面的に廃止すべきです。(吉本博美)

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