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2015年9月29日(火)

主張

新空母横須賀配備

核事故の危険恒久化許されぬ

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 米原子力空母ロナルド・レーガンが来月2日、米海軍横須賀基地(神奈川県)に配備されます。2008年に日本に初配備された原子力空母ジョージ・ワシントンとの交代です。福島原発事故を受け、原発ゼロ社会の実現が切実な課題になっているにもかかわらず、原発に匹敵する二つの原子炉を持つ米空母の居座りを恒久化し、国民を核事故の危険にさらすものです。米空母の唯一の海外母港である横須賀基地の増強策の一環であり、米軍の軍事行動に自衛隊を全面的に組み込む戦争法とともに、東アジアでの軍事緊張を高める動きとして極めて重大です。

首都圏の原発設置に匹敵

 ロナルド・レーガンとの交代で米本土に帰還したジョージ・ワシントンは08年からの配備期間のうちおよそ半分以上、横須賀に停泊し、3千万人が暮らす首都圏に原発が設置されているのに等しい事態を生み出してきました。空母艦載機は各地ですさまじい爆音被害を引き起こし、墜落事故の危険など住民の命を脅かしてきました。ロナルド・レーガンの配備は、こうした危険な事態を今後も継続させ、恒久化する道を開くものです。

 言うまでもなく原子力空母は戦争遂行のための兵器であり、艦内に大量の爆弾やジェット燃料を搭載するなど、一般の原発に比べても危険性が高いことが指摘されています。米軍の原子力艦船はこれまで数々の事故を起こしていますが、徹底した秘密主義のベールに包まれ、その実態がほとんど明らかにされていないことも深刻な問題です。日本政府の規制と監視も一切及びません。

 今年4月、戦争法案に合わせ新たな「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」で合意した日米外交・軍事担当閣僚会合(2プラス2)の共同発表は、「(日米)同盟の抑止力及び対処力を強化」する方策として、空母ジョージ・ワシントン(就役92年)を「より高度」な最新の空母ロナルド・レーガン(同03年)に交代させることを明記しています。同時に、「弾道ミサイル防衛」能力を持つイージス艦2隻を追加配備する計画などを挙げています。これらの計画が実現すれば、横須賀基地を母港にする米軍艦船は過去最大の14隻に上ります。

 これは、オバマ米政権の「国家安全保障戦略」(2月)に改めて明記された「アジア太平洋地域へのリバランス(再配置)」の具体化です。同戦略は、「われわれの核心的利益に対しては一方的に行動する」「われわれの永続的な利益が求める場合、必要なら一方的に軍事力を行使する」と述べるなど、先制攻撃も辞さない立場の継続を表明しています。東アジアの軍事的対抗関係を一層激しくする逆行に他なりません。

世界で例のない事態固定

 横須賀基地に米空母が初めて配備されたのは73年です。当時、日本政府や米軍は「(空母の配備は)おおむね3年」「新たな施設・区域の提供を要するものではない」「(空母艦載機の)厚木飛行場での離着陸訓練を実施しない」などと約束しました。しかし、これらの約束はすべてほごにされ、空母居座りは42年にも及んでいます。

 世界に例のない米空母の母港という異常事態を固定化し、国民を核事故の危険にさらすロナルド・レーガンの配備撤回を迫るたたかいを広げることが重要です。


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