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2015年9月26日(土)

国会閉会で安倍首相会見

戦争法廃止世論を敵視

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 戦後最長の会期延長幅となった国会が事実上閉会したことを受けて、安倍晋三首相が25日、首相官邸で記者会見を行いました。戦争法廃止を訴える野党や国民多数の世論に対して「戦争法案はレッテル貼り」「根拠のない不安をあおろうとするもので、全く無責任」と非難しました。

 安倍首相は「説明する努力を続けていきたい」「十分に国民的な理解は広がっていく」と述べましたが、「理解を得る」具体的な道筋は示せませんでした。

 今後の外交について、安倍首相は「秋には3年ぶりに日中韓3カ国による首脳会談も実現したい」と表明。「これから中国、韓国、ロシアなど近隣諸国との関係改善に、これまで以上に力を入れていく」と述べました。

 安倍首相は、28日から米・ニューヨークで始まる国連総会を終えた後に、「帰国次第、内閣改造を行う」と表明。経済・社会保障政策として、「1億総活躍社会」について「新たに担当大臣を設ける」としました。

 補正予算による経済対策について「現時点では考えていない。機動的な経済財政運営によって万全を期していく」と強調。「GDP(国内総生産)600兆円の達成」の手法については、「規制改革」や「過去最大の企業収益」を重視するとし、破たん済みの政策をあげるだけでした。

 環太平洋連携協定(TPP)交渉に関して安倍首相は、30日からの米・アトランタでの閣僚会合を「最後の閣僚会合としたい」として、推進する姿勢を強調しました。

「レッテル貼り」の繰り返し

追い詰められた政権 追撃を

 安倍晋三首相は、国会閉会の記者会見(25日)で、「戦後以来の大改革を成し遂げる歴史的国会となった」とし戦争法(平和安全法制)成立を誇りました。他方で戦争法反対の空前の国民的大運動に対して「戦争法案というレッテル貼りは根拠のない不安をあおる無責任なものだ」と非難。「世界の多くの国から支持が寄せられている。アメリカや欧州から強い支持が寄せられている」と述べました。

 世論は、戦争法成立後も8割以上が政府与党の「説明不足」とし、過半数が「反対」で、明確です。憲法学者の圧倒的多数が憲法違反と宣告。これに首相は反論することもできませんでした。この期に及んでも首相が「レッテル貼り」という決め付けを繰り返すことしかできないのは、強行後も途絶えることなく続く戦争法廃止の運動に追い詰められている政権の姿を示したものです。

 多くの国民が「戦争法(案)」として強い反対の声を上げたのは、憲法9条も長年にわたる政府の憲法解釈も無視して、集団的自衛権の行使をはじめ海外での武力行使に全面的に道を開く、戦争法の本質を見抜いたからです。国民の批判の中核には、海外での戦争に絶対に協力しないという憲法の枠組みを乱暴に蹂躙(じゅうりん)する、立憲主義・民主主義否定に対する強い怒りがあります。

 会見で安倍首相はこうした憲法違反、立憲主義否定の論点には一言も触れることはできませんでした。憲法9条を持たない諸外国の「歓迎」を、圧倒的な国民的批判に置き換える姿勢は、憲法に対する順守義務の放棄にも等しいものです。

 他方、「アメリカの強い支持」に言及したことは、戦争法の本質につながるものです。日本共産党が暴露した一連の自衛隊内部文書は、戦争法が日米新ガイドライン(日米軍事協力指針)の実行法であることを白日の下にさらしました。沖縄の新基地建設はじめ軍事強化と、戦争法の危険が一体であることもいっそう明白です。

 ますます空虚となる首相の弁明に対し、戦争法廃止のたたかいは熱を帯び続いていきます。

 (中祖寅一)


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