2015年9月5日(土)

統幕長訪米記録防衛相、内容確認せず

井上議員　「本人招致で究明を」

（写真）質問する井上哲士議員＝４日、参院安保法制特委

　日本共産党の井上哲士議員は４日の参院安保法制特別委員会で、仁比聡平議員が２日の同委員会で暴露した河野克俊統合幕僚長の訪米記録を示した内部文書の内容をただし、「事実と責任究明は法案審議に不可欠だ」として、河野氏の国会招致を求めました。

　井上氏は、河野氏の訪米時の発言（昨年１２月）について「首相や防衛相が知っていたなら、政府ぐるみで国会を欺いていたことになり、知らなかったら自衛隊の暴走でシビリアンコントロール（文民統制）がきかず、指揮監督責任も果たしていないことになる」と指摘。河野氏が訪米時に「夏まで」の戦争法案成立を米軍高官に公約していたことについて、「（昨年１２月の総選挙での与党圧勝で）成立可能性が高いなとの認識を持っていたのは確かだ」（３日、河野氏の記者会見）と事実上、発言を認めていることをあげ、「河野氏に発言の中身を確かめたのか」とただしました。

　中谷元・防衛相は、河野氏に会ったことは認めたものの、「（内部文書の）内容については確認していない」と答え、問いただしていないことを認めました。

　さらに中谷氏は、「他国との関係もあるので、調査は慎重にしなくてはならない」などと答え、米国の顔色をうかがいながら調査をするという卑屈な姿勢を示しました。

　井上氏は「問題になっているのは日本の自衛隊の文書だ。他国は関係ない」と指摘。「アメリカの許可なしには（内部文書存否の確認も）できない。どこの国の政府か」と批判し、「今度の戦争法案が、そういう政府のもとでつくられているということが浮き彫りになった」と強調しました。（関連記事）