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2015年8月13日(木)

これが自衛隊内部資料だ

憲法を日米同盟に従属

参院安保特 小池氏追及

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(写真)質問する小池晃議員=11日、参院安保法制特委

 「まるで戦前の軍部の独走だ」。

 日本共産党の小池晃議員が11日の参院安保法制特別委員会で暴露した内部資料は、陸海空3自衛隊を運用面で統括する統合幕僚監部が、まだ国会審議中の戦争法案の「8月成立・来年2月施行」を前提に、詳細な部隊運用計画を立てていたことが明らかになり、驚きと怒りを広げています。

 小池氏が独自に入手したこの資料は、会議でスライド資料(パワーポイント)を使って説明する際の「台本」だと見られます。この資料のタイトル「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)及び平和安全法制関連法案について」から、戦争法案は、新ガイドラインの「実行法」であり、憲法を日米同盟に従属させるものだという本質が浮かび上がりました。

 会議での説明者は統幕のスタッフであることが資料から読み取れますが、だれに対して説明したのか、現時点では不明です。自衛隊の「独走」は文民統制の観点からも許されませんが、このような「独走」を許した政府や防衛省の責任も重大です。

 自衛隊が国会審議を無視して、このような検討を行っていた以上、参院での戦争法案の審議の前提が崩れたといわざるを得ません。審議は中断して、戦争法案をただちに撤回する以外にありません。

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(拡大図はこちら)

 

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 4月27日に合意された日米軍事協力の指針(ガイドライン)に明記された、日米の「調整」系統に関する説明。新たに常設される「同盟調整メカニズム」(ACM)に、これまで全く公表されていなかった「軍軍間の調整所」設置の検討が明記されています。

 国民に公表していない枠組みをひそかに検討していることに加え、自衛隊がみずからを「軍」と呼んでいることは重大です。安倍晋三首相が国会答弁で、自衛隊を「わが軍」と呼んだことと重なります。「軍軍間の調整所」ができれば、米軍と自衛隊が日常的に部隊の運用計画を練り、防衛省の内局を含め、政府機関はそれを追認するだけの、「軍主導」の枠組みになりかねません。

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 内部資料は、南スーダンPKO(国連平和維持活動)で、(1)「他国軍隊要員との宿営地の共同防衛」(2)「駆け付け警護」が、「業務として追加される可能性あり」と明記しています。さらに、(2)に伴い、「任務遂行型」の武器使用を行うと明記しています。

 従来のPKOでは、自衛隊の武器使用は「自己保存」=“襲撃を受けたとき、自分の身を守るための正当防衛”に限っていました。戦争法案では、他国部隊の戦闘に参加する「駆け付け警護」を可能にしています。これは当然、「自己保存」を超えるので、「任務遂行型」の武器使用になります。中谷元・防衛相は11日の参院安保法制特別委員会で、これらの活動について、「法案が成立すれば可能になる」と明言しました。上記の資料にある日程表によれば、来年3月から戦争法案に基づくPKO部隊の運用が行われることを、すでに想定しています。

 戦争法案に基づき、自衛隊が「殺される」だけでなく、「殺してしまう」危険が飛躍的に高まります。


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