2015年7月16日(木)
きょうの潮流
その時、国会の内外で怒号や叫びが飛び交いました。「戦争させない」の赤いプラカードを掲げた女性たちは口々に。「こんなに反対がひろがっているなかで強行するなんて。許せない」▼どの世論調査をみても、戦争法案にたいする国民の意思は歴然。反対、憲法違反、今国会の成立は必要ない―。いずれも、国民多数です。それを自民・公明は数にものをいわせ、衆院特別委で強行採決しました▼「あまりにも国民を軽視している」。そう怒る若いカップルは「法案にも反対だが、なによりもプロセスが強引すぎる」。タオルを首に巻いた初老の男性は、主権者の声を聞かない政権は必ず消えうせる、と▼戦後、不戦をうたった憲法のもとで平和国家としての道を歩んできた日本。70年の節目にそれを逆流させるというのか。つえと「9条壊すな」の青いプラカードを手にした高齢の男性は「この国は二度と戦争をしないと誓ったはずだ。安倍政権は日本の恥だ」▼いくら弁を弄(ろう)し、事実を覆い隠そうとしても、自衛隊が戦地に赴き軍事に携われば命が危険にさらされるのは自明です。いま全国から、各界各層から、広く深く声が上がっているのも戦争が現実として迫っているから▼安心して暮らせ、民主主義が根づく国へ。一回りも二回りも三回りも運動をさらに。炎天下の国会前で麦わら帽子をかぶり、赤ちゃんを抱いた若い母親は決意も固く。「この子を戦場に送らせない。絶対に。私たちには、こんなに多くの仲間がいる。負けるものか」