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2015年6月29日(月)

介護保険料 滞納ペナルティー1万2800人

3割負担や給付停止 保険料月5千円超、生活脅かす

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 重い負担の介護保険料が払えず、滞納のペナルティーを受けた高齢者が2013年度で1万2849人となったことが厚労省の調べで28日までに分かりました。保険料が払えず、サービスを制限されるなど貧困が命を脅かす事態の広がりを示すものです。

 介護保険では、保険料滞納が1年以上になると、サービスの利用の際、いったんサービス費用の全額を自己負担し、後から払い戻しをうける「償還払い」となります。1年半以上では、滞納分の保険料を納めるまで、払い戻しが止められ(保険給付の一時差し止め)ます。滞納2年以上では、利用料の自己負担が1割から3割に引き上げられます。

大阪市が最多に

 厚労省の調査によると、ペナルティーの利用時3割負担は全国で1万335人、「保険給付の一時差し止め」は86人、「償還払い」は2428人にも及んでいます。ペナルティーを受けた人が最多なのは大阪市で935人。次いで横浜市441人、福岡市332人、東京都足立区294人、札幌市204人、神戸市(同)でした。

 さらに、滞納に対し預貯金の差し押さえなどの処分を行った自治体は全国で461。処分を受けた人は7900人に上ります。そのうち自治体が保険料を回収できたのは5377人。2500人を超える人は資産もなく、保険料の支払いにも窮する実態が浮き彫りになりました。

 介護保険料(65歳以上)は、制度開始の2000年が全国平均で月額2911円(基準額)でした。以降、上昇し続けて今年4月の全国平均は月額5514円(基準額)にもなり、開始時の倍近い負担。高齢者の生活を脅かしています。保険料が月6000円を超えるところも。自治体の保険料未収額は13年度で約274億円と過去最高を更新しています。

市町村で軽減も

 本来適用されるべき基準額(保険料)だと生活保護が必要となるため、基準額を減額する「境界層措置」の対象者は全国で3987人もいます。居住費の減額が3826人、食費減額が2994人(14年度)。介護保険料が高すぎるため、それを支払うと生活保護の適用になってしまう矛盾が表れています。

 負担が重すぎるなか、保険料減免を行っている自治体は588(14年度)を数えます。そのうち減額は567、免除は21となっています。一般財源による減免を実施する自治体も6(同)ありました。サービスを利用する際の利用者負担軽減では、340自治体(同)が市町村単独の軽減措置を行っています。

独自上乗せ1577自治体に

 介護保険に関する厚労省の調査では、介護サービスを独自に上乗せしている自治体の数も明らかになりました。

 介護保険の運営主体である自治体は、介護予防などを目的とした地域支援事業を実施しています。うち自治体が独自に上乗せする家族介護支援などの任意事業は2014年度で1577自治体にのぼりました。

 家族介護支援事業のうち、介護教室の開催など「家族介護支援」を行っている自治体は963、「認知症高齢者見守り」が1018、交流会実施などの「家族介護継続支援」の実施が1396でした。

 このほか成年後見制度利用支援の任意事業では、1309自治体が実施しています。このうち後見人の報酬助成を行うところは1072、申し立て経費の助成は1091自治体が実施でした。

 福祉用具・住宅改修支援は、972自治体が実施。住まいの確保などの「地域自立生活支援」実施は770でした。

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