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2015年5月20日(水)

海外での「武力行使」容認

政府 見解変更の答弁書

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 政府は19日の閣議で、海外での武力行使は「許されない」との見解を示した1991、92両年の宮沢喜一首相の国会答弁を変更し、安倍政権が定めた武力行使の新3要件の下では「許されないわけではない」とする答弁書を決定しました。民主党の長妻昭代表代行の質問主意書に答えました。

 安倍政権は集団的自衛権行使の容認に伴い、武力行使について、(1)国の存立が脅かされる明白な危険(2)他に適当な手段がない(3)必要最小限の行使―との3要件を新たに設け、戦争法案にも盛り込みました。

 答弁書は「他国の領域における武力行動で、3要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としては許されないわけではない。自衛の措置としての武力の行使にもそのまま当てはまる」と明記。これに基づけば、他国領海内での機雷掃海も可能となります。

 安倍晋三首相は3月20日の参院予算委員会で、他国領域での武力行使について、「新3要件を満たし、政策的な必要性を判断する中で可能となる」と発言。今回の答弁書もこれと軌を一にするものです。

 宮沢氏は国連平和維持活動(PKO)協力法の審議などを通じ、海外での武力行使について「許されない」「憲法9条もあり、できないのは確固としたことだ」と明言していました。


解説

「戦争する国」明確に示す

 集団的自衛権とは、他国に対する武力攻撃に反撃するもので、「海外での武力行使」そのもの、海外派兵そのものです。昨年7月の「閣議決定」と戦争法案で、集団的自衛権の行使を具体化するなか、答弁書は「海外での武力行使」の禁止の原則に大きな穴を開けることを認めたもので、「海外で戦争する国」づくりを明確に示したものです。

 安倍晋三首相は戦争法案の閣議決定を受けた記者会見(14日)で、「海外派兵が一般に許されないという原則は変わらない」「戦争法案といった無責任なレッテル貼りは全く誤り」などと述べました。しかし、海外での武力行使を「認める」のに「海外派兵は許されない」というのは矛盾で、欺瞞(ぎまん)そのものです。

 さらに戦争法案は、武力行使する米軍への支援活動を拡大し、従来の「戦闘地域」まで行って戦闘中の米軍に弾薬提供まで行います。敵に狙われ、戦闘に巻き込まれたら武器を使って反撃するとしています。安倍首相はこの点でも「武力の行使は決して行わない」と述べましたが、実態は「戦闘」「武力行使」です。


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