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2015年4月18日(土)

「辺野古が唯一」の固定観念に縛られず、作業の中止を

翁長知事 冒頭発言と一問一答(要旨)

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 17日に首相官邸で行われた沖縄県の翁長雄志知事と安倍晋三首相との会談のうち、翁長知事の冒頭発言と記者団との一問一答の要旨を紹介します。


冒頭発言

 本日は普天間飛行場の代替施設問題を中心にお話をしたいと思います。

 首相も菅官房長官も、16年前、当時の稲嶺惠一知事と岸本建男名護市長が辺野古基地を受け入れたと発言しています。しかし、稲嶺知事は軍民共用の施設として、15年の使用期限を設けることを条件にしていました。また、岸本市長は日米地位協定の改善、施設の使用期限、基地使用協定の締結などが認められなければ容認を撤回するとして、まずは容認しました。

 政府は1999年12月、稲嶺知事と岸本市長の申し入れを重く受け止め、米国政府と話し合う旨、閣議決定しました。しかし、その閣議決定は2006年、沖縄県と協議もないまま破棄されました。したがって、16年前に知事と市長が容認したというのは、その前提条件がなくなっていることから、まちがいだと思います。

 政府は「普天間飛行場の県外移設」という公約を撤回した仲井真弘多前知事の埋め立て承認を錦の御旗にして辺野古移設を進めていますが、昨年の名護市長選挙、県知事選挙、衆議院選挙はすべて、前知事の埋め立て承認が争点でした。すべての選挙で、辺野古新基地反対という圧倒的な民意が示されました。

 沖縄はみずから基地を提供したことは一度もありません。普天間飛行場もそれ以外の基地も、戦後、住民が収容所に収容されている間に接収され、それ以外の基地は銃剣とブルドーザーで強制接収されました。

 みずから土地をうばっておきながら、老朽化したから、世界一危険だから、沖縄が負担しろ、いやなら代替案を出せという、こんな理不尽なことはないと思っています。

 辺野古移設に反対する県民の思いとともに、私は絶対に辺野古新基地はつくらせません。沖縄県知事、あるいは県民は辺野古移設計画に明確に反対しているということをオバマ大統領に伝えていただくようお願いします。

 総理にお聞きしたいのは、辺野古基地ができない場合、本当に普天間基地は固定化されるのか。ラムズフェルド元米国防長官も「(普天間は)世界一危険な基地」と述べており、本当に固定化されるのでしょうか。

 「(普天間基地の)5年以内の運用停止」も、前知事が総理と官房長官が約束したことが一番の担保だということを県民に言っていました。その件についてはどうなのですか。

 安倍総理には、「辺野古が唯一の解決策」というかたくなな固定観念に縛られず、辺野古への移設作業を中止するよう求めます。総理の英断を期待しています。

一問一答

 ―首相の言葉で印象に残ったのは。

 翁長 例えば普天間基地の5年以内の運用停止については、大変分かりにくい言葉でしたが、生きていることは生きているとうかがいました。ただ、米国と話をするときには、「辺野古を見ながら」という、大変、意味深な言い方でしたが、5年以内の運用停止は生きている、という趣旨の発言だったと理解しています。

  ―今回の会談の受け止め、会談をきっかけにして、基地問題や辺野古への対応に変化があるか。

 翁長 考え方は違いましたが、間髪入れず議論が交わされました。交わることはありませんでしたが、そういう話し合いをやったということは意義があると思います。

  ―首相は「沖縄の気持ちに寄り添う」と言っているが、今日の会談から感じたことは。

 翁長 私の方からは、沖縄の基地の状況を説明しました。民主党政権時代の森本敏元防衛相は2010年の著書で、オスプレイが12年に12機、13年に12機来ると書いています。防衛省も(配備の)1カ月ぐらい前でも、「まだわからない」と言っていたものが実際に来ました。

 その著書には、新辺野古基地はもともとオスプレイを置くために設計されており、将来は100機以上来ると書いてあります。本土にオスプレイの訓練を移転しても、辺野古基地が完成したらみんな沖縄に戻って来るのではないかということを話しました。

 首相は、「そうはならない」とは言いませんでした。努力して訓練を分散すると言っていましたが、根本的な話はありませんでした。政府の対応と、私たちが求める根本的な解決とは、まったく差があります。訓練移転を進めても、30年後には沖縄に戻ってくるのではないかという気持ちを持っています。

 70年間の基地問題での対応で、政府が(基地負担の軽減で)約束したことがみんなほごにされてきたことを考えると、「あれもこれもきちんと前に進めている」ということで、辺野古新基地を理解しろというのは難しいですよ、という話をしました。

  ―今後も首相との面談を希望するか。

 翁長 会談は今日も平行線でしたが、議論は大切だと思っています。

  ―沖縄の民意をオバマ大統領に伝えてほしいといった要請は。

 翁長 「オバマ大統領に沖縄県知事はじめ、県民が明確に反対をしているのだということを伝えてください」と、はっきり申しあげました。

  ―首相は沖縄の思いを伝えてくれるか。

 翁長 これについての返事はありませんでした。

  ―今日の会談を受けて、今後の辺野古への対応に変化があるか。

 翁長 私たちからすると、(辺野古新基地の)大義名分も見えてこないので、やはり沖縄県民も私も、反対の気持ちは変わりません。


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