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2015年4月15日(水)

いっせい地方選前半戦 記者座談会

国民と共産党 新次元

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 今回のいっせい地方選前半戦では、保守の人たちや無党派の市民からの応援が各地で広がるなど、日本共産党と国民との新たな関係がみられました。担当記者で振り返りました。


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(写真)志位和夫委員長と井坂しんや県議候補の訴えを聞く人たち=9日、神奈川県横須賀市

暴走阻止 共産党に存在感

  選挙戦では、「安倍さんは怖い」「自民党支持だけど、今度は共産党」という声が全国各地で聞かれたね。京都市左京区では「私はずっと自民党」という酒・たばこ店主が、安倍政権の「戦争する国」づくりに憤り、「戦争は絶対にやったらあかん。戦争を許さないという点では共産党が第1党」と取材で語ってくれ、印象的だった。

  神奈川新聞14日付が面白い。川崎市議選・高津区で初当選した宗田裕之候補の苦節16年を振り返ったインタビューと合わせて、「長年自民党を支持して今回共産党に投票した有権者」2人の声が紹介されている。「安倍政権は集団的自衛権の行使容認と特定秘密保護法制定に踏み切った。…これまで通り支持していいのか悩んできた」、「政権に歯止めをかける存在が必要だと考え続けた結果として共産党に投票した」など、共産党が有権者にとって安倍暴走政治にストップをかける明確な存在であったことを示している。

  「安倍暴走政治ストップの審判を地方から」と正面から訴えた共産党、民意に背く自民党との「自共対決」の選挙戦だ。自民党自身もそれを認識している。投開票翌日に開かれた自民党青森県連の役員会で、県連会長の大島理森・衆院予算委員長は「民主が野党第1党の責任を果たしていないとの思いが国民の中にあり、(昨年12月の)衆院選でも共産党に(反自民票が)向いている。謙虚に認識しなければならない」(デーリー東北14日付)と述べたという。

無党派 各地で「勝手連」

  「国民の目」という点でいえば、日本共産党は国民とともにたたかう選挙戦を繰り広げた。市民の間で共産党候補を自発的・自主的に応援しようという「勝手連」的な動きも生まれた。神奈川県議選・横須賀市区で当選した井坂新哉(しんや)候補の選挙では、無党派市民でつくる「いくぜ、神奈川。勝手連」と「55ISAKA」という二つの「勝手連」がつくられ、支持を広げた。志位和夫委員長を迎えた最終盤の街頭演説には、「行くぜ」のメンバーがそろいのジャンパーを着て並び、拍手を送った。

  神奈川では藤沢市でも加藤なを子候補を県議会に送るため「励ます会」「支援する会」という二つの「勝手連」が生まれ、メンバーのつながりに支持を訴えたり、資料袋を渡すなど地道に支持を広げてくれた。

  三重県議選・四日市市区でもそうした動きが広がった。山本里香候補を応援する「りかサポーターズ」が結成され、選挙事務所とは別に山本候補の地元に「りかサポルーム」がおかれた。30人ぐらいが呼びかけ人に名を連ね、山本候補の教員時代の同僚や教え子、市議時代の支持者、近所の人たちが党派を超えて参加。保守議員の参謀や、市の元幹部なども「りかさんの当選のためなら」と呼びかけ人になってくれた。

  党派を超えた点では、無所属議員などの応援も全国各地であったよ。当選にはいたらなかったけど、北海道議選・苫小牧市区では自民・公明・民主3現職とのたたかいの中で、他党市議も松橋千春候補の応援演説に立ってくれた。千葉県議選・柏市区では元社会党県議が「ふだんは民主党を応援しているが、今度ばかりは共産党」と加藤英雄候補当選のため協力してくれた。

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(写真)埼玉県議選で柳下氏を応援する、無党派の元市議、中嶋里美さん(左端)=3日の告示日で。埼玉県所沢市

保守層 公然と応援次々

  これまで自民党を支持してきた人たちからの応援、支持なども目立った選挙だった。自民党支持者からみても今の安倍政権に危機感をもち、立ち上がらざるをえなくなっている。

  秋田県議選・秋田市区では、元は保守系会派に所属していた市議が、共産党の加賀屋千鶴子候補のビラに応援メッセージを寄せ、以前自分が使っていた選挙事務所まで紹介し融通してくれた。秋田県農協政治連盟は初めて加賀屋さんを推薦した。

  共産党が24年ぶりに県議会の複数議席をかちとった宮崎では、都城市区で当選した来住(らいじゅう)一人候補の必勝のために、農協幹部や会社社長が事務所まできて応援した。量販店の社長は「安倍政権のもとで戦争になる」と危機感を募らせていた。レストランオーナーはカウンターに来住候補のリーフも置いてくれた。来住候補がその理由を聞くと「消費税です」と消費税増税への怒りを語った。

  それから目立ったのが自衛隊関係者・家族からの応援・支持だ。定数2の激戦を制して初議席を勝ち取った京都府議選・八幡市区では、党支部の住民アンケートをきっかけに結びついた元自衛隊員の人が演説会で応援弁士にも立った。この人は「集団的自衛権を行使すれば若い隊員が前線に行く可能性がある。そんなリスクをおかすべきではない。自民党のブレーキになれるのは、一貫したポリシー(政治信念)をもつ共産党だけ。民主党は離合集散を繰り返し、ポリシーがない」と語っていた。

  札幌市中央区では「元自衛隊」という60代の男性が党地区委員会事務所を訪れ、5人分の資料を持ち帰り、周りの仲間2人に支持を広げたそうだ。

  鹿児島県議選・鹿児島市・鹿児島郡区では、原発反対の「一点共闘」や九州電力の「やらせメール」問題を告発し県政を動かしてきた松崎真琴候補への市民の信頼が高まった。原発反対運動に取り組んできた女性たちが「松崎さんでないと知事と正面から渡り合えない」と選挙で応援にたってくれた。共産党の躍進はこうした「一点共闘」をさらに発展させる力になる。

  共産党、維新、公明党とのたたかいとなった大阪市議選・此花(このはな)区では共産党の瀬戸一正候補が公明新人を抑えて当選した。告示前、山口那津男代表をはじめ、党幹部が繰り返し応援に入り、全国動員もかけていただけに、公明党に衝撃を与えている。

  ここでも原動力になったのは、「大阪都」構想反対の党派を超えた支援だ。「共産党じゃないけれど、都構想反対だから瀬戸さんにする」という声が、自民党、民主党の支持者から次々寄せられた。市バス本数が減らされた地域では「便数を元に戻せ」と陳情した。これを応援したのは共産党だけ。「バスを元に戻すには共産党しかない」の声が、会の役員や地域の有力者に広がった。

若者 ネット使い拡散

  今回の選挙では、20代、30代の若い候補者の活動が新風を吹き込んだ。名古屋市議選・中区で当選した西山あさみ候補は25歳だが、それを押し上げたのも若者たちだった。ライブハウスに候補者の紹介リーフをおかせてもらった。それをみて、お客さんが早朝宣伝にかけつけ、その様子の写真をツイッターで流して話題にする、そんなとりくみも生まれた。フェイスブックをみて「何か手伝わせてください」という人たちも次々あらわれた。

  県議・市議ともに議席を獲得した横浜市鶴見区では、30歳の木佐木(きさき)忠晶県議候補、43歳の古谷靖彦市議候補の周辺で40人ぐらいの青年党員・後援会員がネット「ライン」でつながって、それぞれのつながりを生かして支持拡大に奮闘した。


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