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2015年4月10日(金)

富裕層は大もうけ 庶民は暮らし悪化

税制の抜本的転換を

参院予算委 大門議員の追及

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 9日の参院予算委員会で、アベノミクスの問題点をただした日本共産党の大門みきし議員。円安と株高で一部の富裕層と大企業は恩恵を受けたものの、庶民の暮らしは悪化しているとして、税制を抜本的に転換するよう提案しました。


 「アベノミクスによる株高で富裕層が巨額の利益を手にしている」。こう指摘した大門氏は、株の売却・譲渡所得に占める富裕層の割合を紹介。株式譲渡所得がある申告納税者を所得階級別に見ると、「所得1億円超」(全体の2・6%)の人たちが株式譲渡所得全体の67・6%を占めています。大門氏は超富裕層の資産増加の状況(参照)も告発。次のようにただしました。

麻生財務相も「検討課題だ」

 大門 貧困が広がっているのに、そこには手当てをしないで、一部富裕層が大もうけする。こんな経済政策は世界でも聞いたことがない。

 麻生太郎財務相 富裕層の課税のあり方については、格差の固定化を避けるという点から関心がある。応能課税は引き続き検討すべき問題だ。

 大門氏は、経済協力開発機構(OECD)が「格差の拡大が経済成長を大幅に抑制している」との報告書を出し、米国でも富裕層や大もうけしている金融機関に増税し、その税収分を中低所得者の減税や学費援助に使っていることを指摘(図)。「日本も富裕層に増税し、所得の低い層の負担軽減や教育、社会保障などにまわすべきだ」と提起しました。

「量的緩和」で銀行にも巨利

 一方、業種別にみると、アベノミクスの恩恵を一番受けているのは金融・保険業です。業種別の増益額を見ると、金融・保険業界は前年同期比2兆488億円でトップ。5大銀行グループはリーマン・ショック前の最高利益を超える純利益をあげています。

 大門氏は、アベノミクスの「量的緩和」によって、銀行は国から買った国債を、日銀に高い値段で売り、巨額の利益が転がり込んでいると強調。ところが、金融業界は大企業優遇税制の是正に反対し、受取配当・益金不算入制度など本来見直すべき税制改正すら骨抜きにしてしまったとただしました。

 大門 (受取配当・益金不算入制度を本来通り見直したら)国と地方合わせていくらの税収になったか。

 佐藤慎一主税局長 国税で600億円、地方税で200億円、あわせて800億円と試算できる。

 大門氏は800億円あれば、年金のマクロ経済スライドをやめることもできると指摘。「苦しい庶民には消費税を増税しておいて、もうかっている大企業は減税するのは逆さまだ。応能負担を原則とした税制に切り替えるべきだ」と強調しました。

図

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