2015年4月9日(木)
辺野古推進に固執
日米防衛相会談 指針改定加速へ
中谷元・防衛相は8日、防衛省で米国のカーター国防長官と初めて会談し、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設が普天間基地(同県宜野湾市)の継続使用を避ける「唯一の解決策」だとして、引き続き推進する方針を確認しました。また、自衛隊の活動を地球規模で拡大する日米軍事協力の指針(ガイドライン)の「早期の見直し完了」に向け、詰めの作業を加速させることでも一致しました。
辺野古新基地建設をめぐっては、5日に沖縄県の翁長雄志知事が菅義偉官房長官との初会談で強く反対する意向を伝えた直後で、沖縄の民意を完全に無視した会談との声が高まるのは必至です。
中谷防衛相は、「日米合意に基づき堅実に進めていく。米国のリバランス政策の一環でもあり、非常に大事だ」と表明。カーター長官は「日米同盟を継続する上で極めて重要な要素だ」と応じました。
ガイドライン再改定について日米両政府は、今月27日に開く外交・軍事担当閣僚会合(2プラス2)で正式合意する見通しです。会談では、宇宙とサイバーの2分野の協力強化で一致。宇宙分野では、軍事当局間で作業部会を設置するよう事務方に指示しました。
また、両氏は、F35ステルス戦闘機の日米共通の整備拠点を日本に設置する米政府の決定を歓迎。軍事協力を装備面や民間企業レベルで深めることも確認しました。
■日米防衛相会談の骨子
●ガイドライン再改定
早期の見直し完了へ作業を進めることで一致
●宇宙・サイバー
日米間の協力強化を確認。宇宙に関する事務レベル作業部会の検討を指示
●装備・技術協力
F35戦闘機の日本国内への整備拠点設置などの取り組みを歓迎
●米軍再編
普天間基地の辺野古「移設」が唯一の解決策と再確認