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2015年4月2日(木)

徹底批判!「戦争立法」 (5)

武力攻撃事態対処法改定 「先制攻撃参戦」排除せず

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 昨年7月1日の「閣議決定」で安倍内閣は、集団的自衛権行使を容認しました。「戦争立法」の中で、従来の武力行使の3要件に集団的自衛権の行使を加えた「新3要件」を、武力攻撃事態対処法などに書き込みます。

 新たに付加される集団的自衛権行使の要件は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」です。

無制限に拡大

 その最大の問題は、「国民の権利が根底から覆される明白な危険」という要件に該当するかどうかの判断が、政府の裁量で事実上無制限に拡大することです。「日本に対する武力攻撃の有無」と異なり限界が不明確です。

 たとえば、米国が違法な先制攻撃を行った場合はどうか。

 安倍晋三首相は国会で、「その事案はさまざまな複雑な国際関係の中で生起する」「『新3要件』を満たすか否かの中で判断する」と答弁し、排除しない態度です。

 集団的自衛権は、歴史的には米国のベトナム侵略、旧ソ連のアフガニスタン侵略など、大国による干渉、侵略戦争の口実とされてきました。イラク戦争のようなアメリカの先制攻撃=侵略への反撃が起きたとき、日本が集団的自衛権を振りかざして参戦するなら、日米の「集団的侵略」になります。

 歴史の実例に照らして、集団的自衛権行使の最大の現実の危険はそこにあります。

戦争そのもの

 安倍首相は、「武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することはない」と繰り返しますが、集団的自衛権の行使は武力行使=戦争そのものです。

 政府は長年、憲法9条のもと「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」としてきました。武力の行使は、「日本に対する武力攻撃の排除」に限定されたのです。憲法9条2項の「戦力不保持」規定のもと、自衛隊を「戦力」とは異なる“特殊な実力”と位置づけ「合憲」性を説明するためでした。

 もともと戦力不保持を定めた9条2項のもとすべての武力行使は憲法違反です。自衛隊を「合憲」とする従来の政府解釈からも、集団的自衛権で米国と肩を並べて戦争することになれば、自衛隊は「戦力」でないと言えなくなります。集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の変更は憲法そのものを逸脱します。それを具体化する戦争立法も明白な憲法違反です。

 (つづく)


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