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2015年3月21日(土)

主張

与党安保合意文書

「戦争立法」の危険ごまかせぬ

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 自民・公明の与党は、集団的自衛権行使容認などを柱にした「閣議決定」に基づく「戦争立法」の「具体的な方向性」について正式合意しました。合意文書は、自衛隊の海外活動について「国際法上の正当性」や「自衛隊員の安全の確保」といった「方針」を盛り込み、あたかも「歯止め」を設けたかのように装っています。しかし、いずれの「方針」も、「海外で戦争する国」づくりを推し進める「戦争立法」の危険な本質を少しも変えるものではありません。

国際法違反の戦争参加

 「戦争立法」の重大問題の一つは、米国が世界のどこであれ戦争に乗り出せば、自衛隊が従来活動を禁止されてきた「戦闘地域」まで行って軍事支援をすることです。与党合意では、▽「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」で活動する米軍などを支援するために「周辺事態法」を改定する▽「国際社会の平和と安全のため」に活動する米軍などを支援するために新法(海外派兵恒久法)を制定する―という二本立てで進めていくことを決めました。

 与党合意は、海外派兵恒久法について、「国際法上の正当性」にかかわり、「国連決議に基づくものであること又は関連する国連決議があること」を要件にするとしています。しかし、それが何の「歯止め」にもならないことは、2003年の米国によるイラク戦争とそれに対する自民・公明両党の態度をみれば明らかです。

 イラク戦争は、米国に武力行使の権限を与えた国連決議がないのに強行された国際法違反の侵略戦争でした。ところが、米国は、湾岸戦争(1991年)の国連決議などを持ち出して自分に都合よく不当にねじ曲げて解釈し、「国連決議に合致した行動」などと主張しました。この無法な戦争を支持・容認したのが、自民・公明両党です。イラク侵略戦争のような戦争であっても、自衛隊が軍事支援を行う危険は明白です。

 しかも、「周辺事態法」の改定では、国連決議は要件になっていません。「日本の平和と安全に重要な影響を与える」という口実さえ付ければ、無条件に米軍などへの支援が可能になります。

 「自衛隊員の安全の確保」も何ら保証はありません。

 これまで海外で米軍などに軍事支援を行う自衛隊の活動範囲は「活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」地域(非戦闘地域)とされてきました。ところが、政府が与党に示した資料では、自衛隊の活動場所やその近くで戦闘行為が発生したり、発生することが予測されたりする地域にまで拡大しています。

 「捜索救助」については戦闘行為が発生しても「継続が許容される」としています。「安全確保」どころか、自衛隊員が「戦地」に派遣され、「殺し、殺される」危険がいよいよ現実のものになります。

死傷者を出す活動まで

 与党合意は、「国連が統括しない安全確保活動」にも参加し、任務遂行のための武器使用も可能にしようとしています。多数の死傷者を出したアフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)のような場合でも参加し、治安維持活動を行おうというものです。

 危険な「戦争立法」の法案化作業は直ちに中止すべきです。


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