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2015年2月15日(日)

主張

高浜原発適合審査

再稼動のドミノは許されない

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 原子力規制委員会が関西電力高浜原発(福井県)の3、4号機について、原発の新しい規制基準に「適合」しているとの審査書を決定しました。これをうけ安倍晋三内閣と電力業界は、すでに規制基準に「適合」していると審査されている九州電力川内原発(鹿児島県)の1、2号機や、規制委が審査中の関西電力大飯原発(福井県)、四国電力伊方原発(愛媛県)、九州電力玄海原発(佐賀県)などと合わせて再稼働を急ぐ構えです。東京電力福島第1原発(福島県)の重大事故が4年近くたっても収束のめどが立たないなかで、再稼働のドミノは絶対に許されません。

安全保証しない審査

 原子力規制委が新しい規制基準に「適合」していると審査しても、原発の安全性を保証するものではないことは、川内原発も高浜原発も同じです。規制基準は東電福島原発の事故を踏まえ、地震や津波の想定を見直したといいますが、それ以上大きい災害が起こらない保証はどこにもありません。川内原発では霧島など火山噴火の影響が十分想定されていないと問題になったように、高浜原発でも若狭湾岸に複数ある活断層などの影響が懸念されます。

 高浜原発の場合とくに心配なのは原発の集中立地の影響です。高浜原発の近くには、関西電力の大飯原発と美浜原発、日本原子力発電の敦賀原発、さらに高速増殖炉「もんじゅ」と、14基の原発が立ち並びます。もし大きな地震や津波が起きれば同時多発的に事故が起きたり、近くの原発が大事故を起こしたため安全確保や復旧作業ができなくなったりする恐れは十分あります。

 原子力規制委は、審査書案のパブリックコメント(意見公募)で住民などから出された不安の声に、それぞれの原発で対策をとるからとしか答えていません。住民の不安に対してまったく不誠実であり、審査に合格しても安全などといえないことは明らかです。

 新しい規制基準の大きな問題は、すべての電源が途絶えて原子炉が冷却できなくなり、核燃料が溶融して放射性物質が外部に拡散するような重大事故発生の可能性は認めたのに、その対策は場当たりで、もっとも肝心な住民避難については審査の対象外にしていることです。川内原発の審査書も高浜原発の審査書もその点では同じです。

 高浜原発の周辺には、大事故の場合避難が必要と政府も認める「30キロ内」だけでも福井県に加え京都府と滋賀県が含まれ、合計約18万人が暮らします。ただでさえ原発周辺は交通が不便なのに、冬場の豪雪時など避難に手間取ることは目に見えています。規制委は避難計画を審査せず、政府も事実上自治体に丸投げです。地元の合意もなく、原発を再稼働するなどというのは絶対に許されません。

再稼働推進の政権包囲を

 安倍首相は国会の施政方針演説でも、原子力規制委が規制基準に「適合する」と認めた原発は「再稼働を進めます」と明言しました。規制委の審査に名を借りた無責任な姿勢は明らかです。

 福島原発事故後、現在はすべての原発が停止していますが、再稼働がドミノ倒しのように始まれば、原発問題は事故以前に逆戻りします。取り返しがつかない原発事故を繰り返さないためにも、原発の再稼働はやめるべきです。


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