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2015年2月7日(土)

日本のヘイトスピーチに抗議

韓国で日本人ら毎週行動

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(写真)日本国内で起きている反韓デモに反対する人たち(右)=2014年12月20日、ソウル

 観光地で知られるソウル・光化門の一角に毎週土曜日、立ち続けている人たちがいます。日本で横行するヘイトスピーチ(差別扇動行動)に抗議するプラカードデモのメンバーです。

 「日本の保守団体の反韓デモに反対します」と書かれた横断幕を掲げると、通りすがりの人が激励をしたり、カンパや差し入れをしたりする姿がみられます。

一人から始める

 このデモを始めたのは、韓国で7年間、日本語を教えている桜井信栄・南ソウル大学助教授(40)です。2013年の初頭、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」が日本の各地で「朝鮮人を殺せ」などと叫びながらデモをする動画を見て、衝撃を受けました。こうした状況に危機感を持ち、その年の5月、一人デモを開始。「民族差別のデモは日本の一部の人の行動であること、日韓の友好が大事であることを訴えたかった」といいます。その後、共感した在韓日本人や教え子などが加わるようになりました。

 桜井さんは、日本で、「韓国人は反日」だという間違った認識が広まっていることを危惧しています。「インターネットなどで『反日』として流される映像は、韓国人が『日の丸』を焼いたり、安倍首相の人形を踏んだりしていますが、一部の人です」

政治と国民区別

 桜井さんが接している韓国の学生たちは、「日本の政治と国民を区別して考えています。日本の政府や政治家は好きではないが、日本の漫画やアニメは大好き」だといいます。日本でも人気の漫画「進撃の巨人」は、絶大な人気を誇っているとか。

 韓国の書店では、日本のコンビニや書店に置かれている「嫌韓本」や「嫌中本」のようないわゆる「反日本」はありません。

 「日本人に対するヘイトスピーチなんて聞いたことがない」と語るのは、デモ参加者の一人、吉方べきさん(41)です。16年間、韓国に住み、現在は漢陽サイバー大学で日本語を教えています。「韓国の人たちは、日本がしっかり過去の侵略戦争を謝罪すれば、受け入れる土壌がある」と吉方さん。「隣国関係はなぜ特別なのか、安倍首相にはよく考えてほしい」と語りました。

 桜井さんは「安倍首相が率先して差別扇動を行っている」と指摘します。「首相のフェイスブックの投稿に対するコメント欄は、差別と憎悪の言葉に満ちていますが、それを知りながら放置しています。これでは日本に排外主義はなくならない。安倍首相は隣国や、違う民族に対して敬意を持って接するべきです」

 (ソウル=栗原千鶴 写真も)


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