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2015年2月6日(金)

きょうの潮流

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 身も凍るような日々がつづきます。関東にも雪が降り、人々の足を重くしています。寒さ厳しい頃。ですが、暦の上では立春がすぎ、もう春。万物のいのちも動き始めようとしています▼雪の中から顔を出すフキノトウ。ほころぶウメの花に舞うメジロ。各地からの便りも気配を伝えます。〈春立つと拭ふ地球儀みづいろに〉(山口青邨(せいそん))。長い列島、感じ方はさまざまですが、立春の後は「余寒(よかん)」「春寒(はるさむ)」といって、冬の寒さとは区別されます▼これからめまぐるしく変化する寒暖。そのなかで生きものたちは、日の長さや温度の積算によって春の到来を知るそうです。動物行動学者の日高敏隆さんが書いた『春の数えかた』で教えられました▼虫のような変温動物たちは、ある一定の気温をこえた温度を毎日足し合わせる。その温量の総和が一定値に達すると、今年も春が来たと思う。生きものたちは、こうして太古から冬のときにもいのちの鼓動を打ち、明るい兆しをつかんできた、といいます▼人類だって同じでしょう。気候の移り変わりや生きものの営みのなかに、喜びや希望、生命のいとおしさを覚えてきました。人が人のいのちを奪い合う殺伐とした世情のいま、めぐる季節に思いをはせます▼なくならない争いやテロ、地球温暖化、貧富の格差…。大きな岐路に直面している私たちですが、そこにとどまってはいられません。政治や社会を変え、新しい時代をつくる知恵と力が、人間にはあるはず。寒さのなかに春の訪れを感じながら。


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