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2015年2月2日(月)

残虐かつ非道な蛮行国際社会が一致して対処を

NHK「日曜討論」  山下書記局長の発言

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 与野党書記局長・幹事長が出演した1日のNHK番組「日曜討論」で日本共産党の山下芳生書記局長は、過激組織「イスラム国」による日本人人質事件や2015年度予算案の問題で討論しました。


テロにどう立ち向かうか

国連を中心に国際法と国際人道法を順守して立ち向かうことが大事

 「イスラム国」が拘束していた後藤健二さんを殺害したとする映像を同日、インターネット上に公開したことを受け、与野党から「卑劣なテロ行為だ」と非難が出されました。山下氏は次のように表明しました。

 山下 残虐かつ非道な手段による憎むべき蛮行です。断固糾弾したいと思います。こういう行為はいかなる口実をもってしても許されるものではありません。

 いま重要なことは、国際社会が一致して国際テロ組織「イスラム国」に対処することです。

 そのためには、国連中心に国際法と国際人道法をしっかり順守して立ち向かうことが何より大事だと思います。そうしてこそ、テロ勢力を孤立させ包囲することができます。昨年、国連安保理が全会一致で決議した「イスラム国」への対応を見ますと、「暴力とテロ行為を中止し、ただちに武装解除し解散することを要求する」とあります。そのために、外国人戦闘員の参加を阻止すること、資金源を断つことを決定しています。この方向で国際社会が努力すべきだと思います。

 なお、安保理決議にも「加盟国は国際法、国際人道法を遵守しなければならない」と書いてありますので、これが大事な観点です。

海外での人道支援・日本人救出

事件口実の「海外で戦争する国」づくり推進は許されない

 安倍晋三首相が「イスラム国」対策で日本政府の対応を「人道支援」と強調していることについて自民党の谷垣禎一幹事長は「それは当然のことだ」などと述べました。山下氏は次のように発言しました。

 山下 人道支援、非軍事分野といいながら、安倍首相は今回の事件を契機に「海外で戦争する国」づくりをいっそう推進、拡大しようとしています。これはきわめて重大だと思っています。

 例えば先週のNHKのインタビューで首相は、「有志連合」による「イスラム国」に対する軍事行動への支援について「憲法上は可能だというのが、われわれの考えだ」とはっきり答えました。

 そうなりますと、米軍の空爆を自衛隊が支援することも憲法上は可能だということになります。憲法9条の下でそんなことは絶対に許されない。私たちは、集団的自衛権の行使というのは、アフガン戦争やイラク戦争のような戦争で自衛隊がこれまでの「戦闘地域」まで行って、米軍と肩を並べて軍事行動すると、ここに一番の危険があると指摘してきましたけれども、今回の事件を機にいよいよその危険性が浮き彫りになってきたということです。

 憲法破壊の暴挙を止めるために、国民とスクラム組んで、この点ではがっちりストップをかけていきたいと思っています。

領域国の権力が及ばない地域で自衛隊が救出するのは極めて危険

 安倍首相が国会答弁で今回の人質事件に関して「自衛隊の持てる能力を生かし、邦人救出に対応できるようにすることは国の責任だ」などと述べ、安保法制整備への意欲を示したことについて、「いまは領域国の同意がないとできない」(自民・谷垣氏)などと検討する発言がありました。山下氏は反論しました。

 山下 「邦人救出」で自衛隊をどこまで出すのかということですが、一昨年、自衛隊法が「改正」されました。それまでは、港とか空港まで迎えにいってそこから邦人を輸送するということだったのを、港や空港の先まで現場までいって輸送することを可能にした。武器の使用も拡大した。安倍首相の発言は、それをさらに踏み越えていこうじゃないかというものです。

 ただ、「邦人救出」も、昨年7月1日の(集団的自衛権行使容認の)「閣議決定」ではこうあります。「領域国政府の同意が及ぶ範囲、すなわちその領域において権力が維持されている範囲」―これが「閣議決定」です。私たちは「閣議決定」に反対ですけれども、そう書いています。

 今度の「イスラム国」のような場合は、これは領域国の権力が維持されていない地域ですから、そこまで自衛隊がいって救出するなどということは、きわめて危険だし、果たして自衛隊にそんな能力があるのかと。反対です。

補正・新年度予算案

社会保障切り捨て・大企業優遇・大軍拡の三悪予算は抜本的組み替えを

 今月中旬に政府が提出する2015年度予算案について、与党は「(現在審議中の14年度補正予算案とあわせ)地域の消費を喚起する効果が出てくる」(自民・谷垣氏)などと述べました。山下氏は次のように批判しました。

 山下 来年度予算案には三つの大きな問題があると思っています。

 第一は、社会保障のために消費税を増税するんだと言いながら、社会保障を軒並み切り捨てようとしています。年金は削る、お年寄りの医療費の負担は上げる、介護報酬はぐんと下げて施設経営が大変になって「介護難民」が続出するんじゃないかと言われています。

 第二は、その一方で「財政再建」と言いながら、空前のもうけをあげている大企業には、2年間で1兆6千億円の大減税のばらまきです。そんなお金があるんだったら、福祉と暮らしに使うべきだと思います。

 第三は、軍事費が3年連続で増えて、史上最大の5兆円の計上になっているということです。中身をみますと、オスプレイだとか、水陸両用車、「海外で戦争する自衛隊」につくり変えようとしている。

 ですから、社会保障切り捨て、大企業優遇、大軍拡の「三悪予算」です。私たちは、抜本的な組み替えを国民の立場から提案してたたかいたいと思っています。

農協・労働時間制度「改革」

TPP反対のJA全中つぶしに反対する

 安倍政権が「改革断行」として持ち出している雇用問題、農協問題などについて山下氏は次のように述べました。

 山下 今でも日本は、過労死、サービス残業、ブラック企業が横行するなど先進国でも長時間労働が際立っているんですね。そのときに、労働時間規制を取り払ってしまって、どんなに長時間労働してもあなたの責任だとなれば、過労死がますますまん延することになります。絶対に反対です。

 それから農協「改革」ですが、協同組合というのは「一人は万人のために、万人は一人のために」と、もともと自主的な組織であって、改革も自主的にしていただくべきなんですね。今度の自民党の一番の狙いは、TPP反対の一番の要のJA全中をつぶすことにある。これはよこしまな考えだと思います。反対です。


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