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2014年12月19日(金)

米国のキューバ国交正常化表明

破綻の敵視政策 転換へ

中南米との新たな関係へ一歩

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 【ニューヨーク=島田峰隆】オバマ米大統領がキューバとの国交正常化交渉を始めると表明したことは、米国が固執してきた対キューバ敵視政策が破綻し、転換を迫られた結果にほかなりません。同時にこの転換は、米国が中南米諸国全体と対等な協力関係を築く基盤となるものです。


 米政府は親米政権を倒した1959年のキューバ革命を受けて61年1月に国交断絶を通告。62年からは政権崩壊を狙って経済封鎖を続けています。同年には米国のイニシアチブでキューバを米州機構(OAS)の資格停止処分とし、94年から米国主導で始めた米州サミットから排除してきました。

 しかし体制の違いを理由にした一方的な敵視政策は、主権平等や内政不干渉を定めた国連憲章や国際法に違反するとして、世界から批判されています。

 国連総会は92年から毎年、対キューバ経済封鎖の解除を求める決議案を圧倒的多数の賛成で採択。今年も国連加盟国の97%が賛成し、反対は米国とイスラエルだけでした。

 また中南米諸国は、キューバを米州サミットへ参加させるよう何度も求めてきました。中米パナマで来春開かれるサミットで、米国がまたもやキューバを排除するなら、もはや出席しないと表明する政権も出ており、サミットの開催そのものが危ぶまれる状況が生まれていました。

 米国内でもキューバとの断交状態の継続は不利益だという認識が強まっています。ロイター通信が7〜10月に米国民を対象に行った世論調査では、43%がキューバとの外交関係確立に賛成し、反対は20%を下回りました。米紙ニューヨーク・タイムズは今年10月から「キューバ 新しい始まり」と題する社説を連続して掲載し、オバマ政権に関係正常化の決断を促しています。

 オバマ氏は2009年4月、「今後は(中南米諸国と)平等なパートナーを追求すると約束する」と表明。中南米諸国は、米国が対キューバ敵視政策を改めるかどうかを、対等な関係を実現する重要な試金石の一つとしてみてきました。

 対キューバ経済封鎖の解除は議会の承認が必要であり、容易に実現するかは予断を許しません。しかし大統領が敵視政策の誤りを認め、国交正常化の開始を表明したことは、中南米諸国全体と新たな関係を発展させる可能性を切り開くものといえます。

 南米12カ国でつくる南米諸国連合(UNASUR)のサンペール事務局長は17日、「米国と中南米諸国の関係を再び立ち上げるときがきた」「国交正常化開始はキューバだけでなく中南米全体にとって良い知らせだ」と歓迎し、正常化交渉に協力する姿勢を示しました。


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