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2014年11月12日(水)

主張

労働者派遣法改悪

ボロボロ法案は廃案以外ない

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 自民党、公明党の与党が今週中にも労働者派遣法改悪案の衆院厚生労働委員会での採決を強行しようとしています。法案は、雇用が不安定な派遣労働を「臨時的・一時的」な利用に限るとしてきた歯止めをはずし、恒常的な利用へと根本的に変えようとする内容です。企業の利益を増やすために労働者を犠牲にする典型的な悪法です。そのような重大法案を、委員長職権による委員会開催をくり返し、多数の力で採決をごり押しするのは絶対に認められません。

うそが次々あきらかに

 法案は、廃案以外にありえない状況になっています。審議の前提が崩壊してまともな審議ができない異常事態といえます。

 安倍晋三首相も塩崎恭久厚生労働相も、法案は派遣労働者の雇用の安定、保護が目的だとしきりに強調しています。労働者の保護を装い、法案のどこにも書いていないことを平気で口にし、整合性も何もなくなっているのがいまの事態です。

 たとえば法案の焦点がまるで逆です。正社員を派遣に置き換えることを防ぐために「臨時的・一時的」な利用に限るとしている派遣労働の原則をなくすのが法案の最大の問題点です。ところが塩崎氏の衆院本会議での趣旨説明は「派遣労働を臨時的・一時的な働き方と位置づけることを原則とする」と、耳を疑う内容でした。質疑で事実を突きつけられても原稿をオウム返しに読むだけです。

 どんなに塩崎氏が居直ろうとそれを裏付ける記述は法案のどこにもありません。与党の公明党が本会議のあと、突如、この原則を法案に盛り込む修正案を出して審議が混乱した一幕(修正案はその後撤回)をみてもあきらかです。

 ごまかしはこれだけではありません。法案は派遣受け入れ可能期間を3年としていますが、労働組合などの意見聴取、反対意見にたいする説明をすれば延長できるとしています。意見を聞き、説明さえすればいつまでも派遣を使える抜け穴規定です。

 ところが塩崎氏は、もし労働組合が反対一色だったのに、企業が無視して派遣を継続させたときは労働局が指導するのは当然だと、抜け穴をふさぐような答弁をしました。本来からいえばこれが正当であり常識です。しかし法案は常識が通用しないものです。あわてた厚労省が翌日、答弁を訂正する文書を衆院厚労委の理事懇談会に提出する騒ぎになりました。

 安倍首相は、派遣労働者の正社員化をすすめるために、派遣会社にキャリアアップ支援を義務付けると何度もくり返しています。これもうそです。

 キャリアアップのための教育訓練ができるような体制がある派遣会社はほとんどありません。月に1回、パソコン教室を行うだけで義務をはたしたことになるのかという質問に、首相も大臣も答えられませんでした。実効性がどこにもないのです。

人間らしい働き方こそ

 「雇用は正社員が当たり前、派遣はあくまで例外」。これは人間らしい働き方の基本条件です。

 正社員を切って、雇用が不安定で低賃金の派遣労働を無限に広げる労働者派遣法の改悪は絶対に認められません。まともな審議にたえられないボロボロ法案は、廃案にするしかありません。


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