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2014年10月31日(金)

論戦ハイライト

衆院予算委集中審議 笠井議員の質問

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 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に暴走する安倍政権。日本共産党の笠井亮議員は30日の衆院予算委員会集中審議で、ずさん極まる巨大噴火対策や避難計画を追及し、原発再稼働断念を迫りました。


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(写真)パネルを示して質問する笠井亮議員。右端は安倍晋三首相=30日、衆院予算委

首相 “九電の保安規定は妥当”

笠井 “専門家より九電を信頼する「安全神話」だ”

巨大噴火対策

 巨大噴火の可能性があるカルデラ(火山噴火による陥没地形)が五つも存在する川内原発周辺。巨大噴火にどう備えるのか。

 九電の「保安規定」では、九電自ら巨大噴火を予知し、予知された時点で原子炉を止めて核燃料を運び出す手順が記されています。しかし、火山学の専門家は「前兆現象を数年前に把握できた例は世界にない」(藤井敏嗣東大名誉教授)と断言しています。

 笠井 九電は「できる」と言うが、これが科学的か。

 田中俊一原子力規制委員長 破局的噴火の研究は十分に進んでいない。何らかの異常が検知された場合、空振り覚悟で措置を事業者に命ずる。

 実際に噴火があればどうするか。「保安規定」では、核燃料をどこに、どうやって、いつまでに運び出すか、そして核燃料の冷却方法も期間も記載されず、具体化はこれから。仮に予知できたとしても、肝心要の問題が未完成のままで、原子力規制委員会は再稼働に向けた“合格”を与えたことになります。

 笠井 どうして「再稼働に求められる安全性は確保された」といえるのか。

 安倍晋三首相 九電は川内原発の運用期間中に火砕流が到達するような巨大噴火が起こる可能性は十分小さいと評価し、それを規制委員会は妥当と判断した。

 笠井 専門家よりも九電を信頼している。まさに「安全神話」だ。

担当相 “住民避難は5〜16時間”

笠井 “メルトダウンまで19分、数時間の話でない”

緊急時対応

 笠井氏は、内閣府が9月にまとめた緊急時対応について、避難にどれくらいの時間がかかるのかが一切示されていないと指摘しました。首相は答弁でも、それについて何も答えていません。

 笠井 総理が原子力防災会議で「具体的かつ合理的なものと確認したと了承」した避難計画によって、いったい何時間で避難が完了するのか。

 望月義夫原子力防災担当相 5キロ圏内の住民避難完了は、鹿児島県の推定によるとおおむね5時間から16時間。5キロ以遠は毎時20マイクロシーベルトを超える地域は1週間程度以内で一時移転をしていただく。

 笠井氏は、川内原発で重大事故が起きた場合、19分後にメルトダウンが始まり、90分後には格納容器から放射能が漏れる九電自身の解析結果をパネル(上)で掲示しました。

 笠井 数時間とか十数時間とかいう話ではない。時間との争いだ。限られた時間内に避難できると約束できないのに、どこが「具体的かつ合理的」なのか。

 首相 全体として、極めて具体的な内容になってきている。これで完璧ではない。

 笠井氏は「完璧でないというより、避難計画は未完成」だと指摘し、「被ばくする前に避難を終えないと意味がない」「『具体的かつ合理的』なんて到底いえない」と批判しました。

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