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2014年10月15日(水)

「河野談話」否定派の系譜(中)

謝罪し政権投げ出す

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(写真)2007年6月14日付ワシントン・ポスト紙に掲載された「慰安婦」強制を否定する自民、民主議員らの意見広告

 「戦後レジームからの脱却」を掲げて登場した2006年9月からの第1次安倍政権の1年は、国際社会に挑戦する「靖国」派の歴史観や人権観が全く通用しないことを改めて証明しました。

本質認めず

 「河野談話」見直しを主張してきた首相が誕生するなか、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(「若手議員の会」が名称変更)は、「慰安婦問題に関する小委員会」をたちあげるなど活動を強めました。安倍氏自身は、首相就任当初は「河野談話」の継承を表明しましたが、翌07年3月1日には「強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実」と述べ、軍による性奴隷制という「慰安婦」問題の本質を認めない姿勢を改めて示しました。

 安倍氏のこの発言に対しては、米メディアが「日本は事実をねじ曲げて恥をさらしている」(米紙ニューヨーク・タイムズ電子版、同年3月6日付)と厳しく批判するなど世界中から非難の声が上がりました。当時カリフォルニアの大学で教壇に立っていた東郷和彦・京都産業大学教授(元駐オランダ大使)は「肌で感ずる無気味な『日本否定論』が突如として噴出した」と当時の状況を述べています(『歴史認識を問い直す』)。

 この結果、安倍氏は米国訪問(07年4月)の際、米議会幹部とブッシュ大統領(当時)に対して2度の謝罪に追い込まれました。

「悪あがき」

 それでも「靖国」派は悪あがきを続けました。日本政府に「慰安婦」問題について公式な謝罪を求める米議会下院での決議案採択の可能性が強まるなか、「靖国」派は同年6月14日付の米紙ワシントン・ポストに、「日本軍による強制を示す歴史資料は見つかっていない」「慰安婦は“性奴隷”ではなく公娼(こうしょう)」などとする意見広告を掲載。稲田朋美氏(現自民党政調会長)など自民、民主両党の議員が賛同者として名を連ねました。

 意見広告はさらなる国際社会からの非難をよび、結局、米下院本会議では決議を圧倒的多数で採択しました。決議文は「日本の官民双方の関係者は最近、93年の河野官房長官談話を弱めようとの意思を表明した」と、安倍首相ら「靖国」派の動きを批判し、「(日本政府は)世界に『慰安婦』として知られる若い女性たちに性的奴隷制を強いた日本皇軍の強制行為について、明確かつ曖昧さのない形で、歴史的責任を公式に認め、謝罪し、受け入れるべきである」と求めました。

 同様の決議はこの年、オランダ下院やカナダ下院、欧州議会で採択され、歴史を偽造し女性の人権を踏みにじる安倍政権と「靖国」派は国際社会から糾弾されたのです。

 同盟国である米国からも見放された安倍氏は、7月の参院選で自民党の歴史的敗北という審判を受け、政権投げ出しへと追い込まれていきました。(つづく)


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