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2014年10月1日(水)

きょうの潮流

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 故渥美清さんが主演した「寅さん」シリーズは終盤、おいっこ満男の恋物語が軸になっていきます。渥美さんの体調不良もありましたが、若い恋模様は連作に新風を吹き込みました▼こみあげる思いをぶつけ合う満男と恋人の泉。喜びと切なさが交差する舞台に、よく新幹線のホームが使われていました。それぞれの出会いと別れ。遠くへと旅立つ新幹線は、さまざまな感情があふれる舞台の象徴になってきました▼「夢の超特急」が東海道に開通してからきょうで50年。いまや各地に路線は延び、半世紀の間に延べ55億人を乗せてきました。一方で、在来線の消滅や縮小で地方の過疎化、格差がひろがっています▼停車すれば活性するといわれた地方の街々は寂れ、大都市圏集中に拍車がかかっています。強引な路線拡大は環境や財政面からも批判を浴びてきました。そのうえ、いまリニア中央新幹線の建設計画が動きだしているのです▼山梨・都留(つる)市にあるリニア見学センター。実際に走行する姿が見られ、超電導の仕組みがバラ色に描かれています。しかし、新たな「夢の乗り物」に、疑問や不安は大きくなるばかり。南アルプスの貫通をはじめとする環境破壊、安全性や総額9兆円にものぼる巨額の建設費と、問題が山積みだからです▼加速する大都市圏への集中はこの国の将来にとって望ましいのか。ヒトやモノを速く動かせば、それだけ社会は発展し、豊かになる。そんな見方は、そろそろ改めたほうがいい。悪夢を走らせてはなりません。


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