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2014年9月13日(土)

リニア建設で環境破壊

住民合意もなし

工事認可は許されない

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 JR東海が10月中にも東京・品川―名古屋間の着工を狙うリニア中央新幹線。日本共産党国会議員団リニア中央新幹線問題プロジェクトチームが9日、前例のない大規模な工事によって深刻な環境破壊が引き起こされ、住民合意もないもとで着工を認可することは許されないと政府に申し入れました。リニア新幹線建設の賛否にかかわらず、認可が許されない理由とは―。

残土処分は未定

 都市部の大深度地下や南アルプスの貫通など、路線の86%が地下トンネルという大規模な工事となります。東京ドーム約50杯分に匹敵する残土が発生しますが、処分先は大半が決まっていません。

 長野県大鹿村では、残土の運搬で1日最大1736台の工事用車両が生活道路を往来。排ガス、騒音、交通事故、動植物への影響も懸念されています。

 党国会議員団の調査では、地下に亜炭鉱跡が点在する愛知県春日井市で地盤沈下や陥没が発生するおそれも明らかになっています。

水源への悪影響

 トンネル工事で地下水脈が寸断され、水源への悪影響が出ることも大問題です。

 山梨の実験線周辺では、リニア建設が原因とされる水枯れや異常出水が発生。住民から「影響はないとされた遠方の井戸にまで影響が出た」「釣り人に人気の沢が枯れた」などの報告が出ています。

 JR東海も環境影響評価で、大井川(静岡県)の水量が毎秒2トン減少すると予測し、静岡市は意見書で「自然環境や下流域の生活、経済活動をはじめ様々な影響が懸念される」と指摘しています。

 環境大臣の意見書では、こうした影響を「最大限、回避、低減するとしても、なお相当な環境負荷が生じることは否めない」と強調しています。

 強力な電磁波が住民・乗客に与える影響も未解明で科学的検証すらされていません。

住民の不安無視

 JR東海は、環境影響評価書「補正版」を出したものの、こうした意見や不安にまともに応えていません。大地震や土砂崩れ、電磁波の影響への対策はなく、長野県が求めた沿線自治体との環境保全協定の締結などの要望にも「ゼロ回答」を続けています。

 移転を余儀なくされる住民に具体的説明もなく、党議員団の調査では「どの住宅が立ち退きの対象になるのか説明がない」(神奈川県相模原市)「車両基地予定地に住んでいることをマスコミ報道で初めて知った」(岐阜県中津川市)など批判の声が相次ぎました。

 日本共産党は、政府の責任で「JR東海が国民に対して真摯(しんし)に対応することを求め、自然環境・生活環境を破壊させないよう監視・監督する責任を果たすべき」だと主張しています。


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