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2014年9月12日(金)

きょうの潮流

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 視覚障害者が歩くときに使う白杖(はくじょう)が普及したのは第1次世界大戦後です。目の不自由を周りにわかってもらうため、杖(つえ)を白く塗って目立たせたのが始まりでした▼日本では白杖か盲導犬を携えることが法によって定められていますが、それには多岐にわたる訓練が必要です。ドアの通り抜けや階段の上り下り、乗り物の利用…。目が見える人には何気ないことでも、一つ一つに確認や手順があり、危険とも隣り合わせです▼人間は外からの情報の8割以上を視覚から得るといわれます。視覚障害者にとって、外出はつねに不安と恐怖がつきまとう。それでも、勇気をもってひとりで歩けることが、生活を変え、生きる自信にもつながっているのです▼その希望を打ち砕くような事件が相次いでいます。埼玉県内の駅で白杖を頼りに点字ブロックを歩いていた全盲の女子生徒が後ろから足を蹴られました。誰かが杖に足を引っかけて転んだ気配を感じた直後、右ひざの裏を強く蹴られたといいます▼全盲の男性が連れていた盲導犬が刺される事件も起きました。視覚障害者を助け安全に導く訓練を積んだ盲導犬は、かけがえのないパートナーであり、心の支えです。それを傷つける卑劣な行為に怒りと悲しみがひろがっています▼悪意がはびこる社会はすさんでいくだけです。人の本心は、目が見えない人こそよく見えます。被害にあった女子生徒は「怖さ」を口にしました。それを「思いやり」や「優しさ」に変えたい―。善意が見える世の中にして。


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