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2014年8月28日(木)

故郷を原発に奪われた

避難者訴訟 原告ら苦しみ訴え

地裁いわき支部

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 福島第1原発事故周辺に居住していて避難を余儀なくされた福島県双葉町、楢葉町、広野町、南相馬市などの被害者が東京電力に原状回復と損害賠償を求めた避難者訴訟の第6回口頭弁論が27日、福島地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)で行われました。

 原告側は、川俣町山木屋で酪農を営んできた菅野(かんの)みどりさんと、南相馬市から埼玉県さいたま市に避難している横田芳朝さんが意見陳述しました。

 菅野さんは「山木屋の自然は美しく、牧場の緑の色が増し、放牧の乳牛がのどかに草をはむ姿は、今日現在夢にまで見る、ふるさとの自然豊かな風景です」と陳述し、ふるさとを奪ったことへの静かな怒りを語りました。避難命令が出され、40頭ほどの牛を手放す事態になりました。「一頭一頭の顔をなでながら別れを惜しみました」と原発事故が生きがいにしてきた生業(なりわい)を壊したことへの悲しみを訴えました。

 横田芳朝さんは、専業農家として田畑や果樹園を経営。「優れた品質の農作物は、土づくりにあるという信念でやってきた」のが放射能で汚されました。

 「生きがいを奪われるということがどういうことか、人生を狂わされることがどんなに悲惨か、しっかり理解してほしい」と陳述しました。

 妻の渡辺はま子さん=当時(58)=が焼身自殺。訴訟で賠償を勝ち取った川俣町山木屋の渡辺幹夫さん(64)も駆けつけました。


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