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2014年8月27日(水)

広島土砂災害1週間 捜索難航 避難1500人

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 広島市北部の豪雨に伴う土砂災害発生から1週間。26日、新たに5人の死亡が確認され、死者が65人になりました。行方不明者は24人。県警や消防などは約3300人態勢で捜索を続行していますが、この日も、二次災害の恐れで一時中断を強いられるなど、作業は難航しています。


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(写真)多くの民家が土砂にのまれた八木地区で、手作業で家の泥を運び出す人たち=26日、広島市安佐南区

 安佐南区八木3丁目では、土砂による直接的な被害を免れた住宅でも周囲を十数センチから1メートルを超す泥に覆われ、市民生活に大きな支障を生じています。

 八木3丁目第1市ノ坪自治会町内会長の中井正範さん(61)は、「1週間もたつのに、この辺はほとんど手付かず。人命救助の救援活動はもちろん大切だが、同時進行でやってほしい」と憤りました。

 小学生の息子3人と梅林(ばいりん)小学校に避難している八木3丁目の男性(49)は、「いつ指示が解除されるかわからなくて不安だ」と話します。7年前から住み始めた自宅に大きな被害はなかったものの、当初から「いつか土砂崩れがあるかもしれない」との懸念がありました。「このまま住めなくなっても新築する余裕はない」と困惑の表情を見せます。

 行方不明者について、市災害対策本部は名簿をホームページに掲載するなどして情報提供を呼び掛けています。避難長期化に備えた準備も本格化し、市は被災住宅の復旧に関する相談窓口を開設。仮設住宅の建設準備も進めています。

 同市では依然、約15万人を対象に避難指示・勧告が出されており、約1500人が避難所に身を寄せています。

 松井一実市長は同日の記者会見で、避難勧告が遅れたことを初めて認め、市のマニュアルは昼間しか想定しておらず、夜間には対応できなかったことを明らかにしました。同市長は「勧告が早かったら、被害が小さくなった可能性はある。ちゅうちょしたのは、今のマニュアルで判断したから」と話しました。

共産党県議かねてから対策要求

 日本共産党は以前から土砂災害対策の必要性を主張していました。災害発生前日の19日の広島県議会では、辻恒雄党県議が土砂災害対策予算の拡充を求めたばかりでした。

 同日の県議会の特別委員会で、辻県議は同県の土砂災害危険箇所数が全国最多の3万1987カ所で、約6千カ所が未整備であることを示し、「現在のペースでいったら整備完了までに何年かかるのか」と質問。砂防課長は「333年」と答弁していました。

 同県議は昨年11月11日の同委員会でも、危険箇所整備の予算が10年前は140億円、5年前は99億円、2013年度は73億円と、年々減少していることを指摘し、抜本的な予算増を主張しました。

 今回災害に見舞われた同市の31カ所のうち23カ所が土砂災害警戒区域に指定されていませんでした。全国的にも土砂災害危険箇所の調査が32都道府県で未完了で、人員、予算面での国の支援が求められます。

 辻県議は、「危険箇所の整備は、県民の生命、財産を守るために最優先であるはずなのに県は後回しにしてきました。その責任が大きく問われます。大型開発をやめてただちに対策を推進すべきです」と話しています。


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