2014年8月3日(日)
豊かな育ちへ未来開く
保育合研 子育て新制度批判
福岡
![]() (写真)地元福岡の子どもたちの歌で始まった第46回全国保育団体合同研究集会の全体会=2日、福岡市 |
保育者、保護者、研究者らが保育や子育ての実践を交流し学び合う第46回全国保育団体合同研究集会(同実行委員会主催)が2日、福岡市で始まりました。3日間の日程。初日は、開催地福岡の2500人超をはじめ、47都道府県から参加しました。公的保育を後退させる「子ども・子育て支援新制度」の問題点を浮き彫りにし、子どもの未来を開く保育のあり方を交流しました。
福岡県内六つの保育所の園児や保護者ら約300人が「ぴかぴかのどろだんご」など5曲の合唱を披露しました。
オープニングフォーラムでは、保育者らが実践をもとに、貧困や格差の中で生きる子どもに寄り添って豊かな育ちの保障を広げようと呼びかけました。
公立保育園の園長は、虐待に直面した子を緊急に受け入れた事例を紹介。「この子に楽しい時間をすごさせようと担任を励まし支えました。子どもが『保育士になりたい』という夢を語ってくれたとき、どんな過酷な環境でも子どもは希望を持って生きたいと願っていると確信しました」と話しました。
最愛の娘を保育中の事故で亡くした藤井真希さんは「事故当事者の立場から新制度を見ると、施設によって保育の基準が異なり、特に小規模保育では有資格者の割合が緩和されていることに不安を感じます。子どもの命と安全が守られることは保育の基本です」と訴えました。
全国保育団体連絡会事務局長の実方伸子さんは集団的自衛権行使容認反対アピールにふれ「平和への願い、よりより保育への思いを交流し発信していこう」と呼びかけました。
3日は分科会や講座、シンポジウムが開かれます。
閣議決定撤回を
全保連アピール
福岡市で開かれている第46回全国保育団体合同研究集会(保育合研)初日の2日、保育合研の活動を通して生まれた全国保育団体連絡会が「子どもたちの明日に戦争はいらない―集団的自衛権行使容認に反対するアピール」を出しました。閣議決定の撤回を求めています。
第1回保育合研は日米安保条約反対のたたかいが盛り上がった1969年に開かれました。アピールはこのことにふれ「平和な社会で子どもたちを育んでいくために、保護者、保育関係者とともに全力をつくす」と決意をのべています。
豊かな保育 学ぶ喜び
合研参加者 “平和な未来を”
![]() (写真)香川県から参加した保育士たち=2日、福岡市 |
2日、福岡市内で始まった第46回全国保育団体合同研究集会(同実行委員会主催)では、保育士や保護者から、平和な未来と豊かな保育を願う声が聞かれました。
香川県から参加した女性(25)は、「全国の仲間と学び合える」といいます。同県からは保育士仲間20人近くが参加。この6月には保育合研に向け、四国4県で保育集会を開きました。そこで香川県の保育士さんたちは、集団的自衛権行使容認反対の思いをこめた「アナと雪の女王」の替え歌を披露。「平和じゃなくちゃ遊べない♪」と歌いました。
初日のフォーラムに参加した女性は「保育事故でお子さんを亡くされた話を直接聞くのは初めてで、びっくりしました。新制度で保育が変わろうとしている中、これでいいのかもっと考えていかないといけないと思いました」と話します。
同じ香川県から初参加の女性(23)は、「たくさんの人でびっくりしました」といいます。今、1歳児クラスの担任です。「かみつきをする子どもたちに悩んでいます。言葉はないけど、一人ひとり思いはあるんです。態度で出てる。その思いにどうこたえるのか、ほかの保育士さんたちがどうしているのか、ぜひ学びたい」。3日の分科会ではゼロ・1・2歳児の発達の基礎講座に参加予定です。
岐阜県高山市から参加した保育士(28)は「工夫と努力を重ねている各地の実践を聞いて、私も日常の保育を大事にしたいと思いました。合研はあたたかい雰囲気の中で自分の疑問や悩みを聞いてもらえて自然に元気になれます。楽しみです」といいます。
「子ども子育て新制度に多くの人が反対していると実感でき、署名などを始める力になる」と話したのは1歳の娘と広島県から参加した女性(34)。「集団的自衛権の行使容認は子どもの将来を考えたら嫌です。合研で学んだことを地元に帰って伝えたい」と話しました。










