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2014年6月14日(土)

主張

「九条の会」10周年

改憲阻む「草の根」の力今こそ

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 日本国憲法を守る一点で手をつなぐ「九条の会」が発足10年を迎えました。日本の良心を代表する作家、評論家ら9氏の呼びかけで、その後、全国に結成された「九条の会」は7500を超え、多彩で粘り強い活動は、改憲を許さない国民多数派づくりの中軸を担っています。解釈改憲による集団的自衛権の行使容認へと突き進む安倍晋三政権のもとで憲法をめぐる情勢が重大局面を迎えているいま、地域の「草の根」に根ざした「九条の会」がその力を発揮し、さらに大きく発展することが強く期待されています。

国民世論を大きく動かす

 「九条の会」は2004年6月10日、作家の井上ひさし氏や大江健三郎氏、評論家の加藤周一氏ら9人が呼びかけたのが始まりです。小泉純一郎政権が、アメリカが侵略したイラクに自衛隊を派兵するなど憲法が大きな試練に直面しているなかでの旗揚げでした。

 「憲法九条を激動する世界に輝かせたい」「九条を持つ日本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々行使していく」―。「九条の会」アピールは歓迎され、国民に希望の灯をともしました。9人の旗揚げとともに全国津々浦々に共感と支持の輪が広がり、アピールに賛同して地域・職場・学園につくられた「九条の会」は9条を守る運動の大きなうねりとなりました。

 「九条の会」が歩みを刻んだ、この10年、憲法をめぐる情勢は文字通り激しいせめぎあいの連続でした。改憲に異様な執念を持つ安倍首相は第1次政権で改憲手続き法などを強行したものの、国民の批判を浴びて1年たらずで退陣に追い込まれました。第2次政権に復帰直後に掲げた改憲手続きを緩和する憲法96条改定も世論の反対の前に事実上断念しました。

 「改憲の風圧」が強まるたび、それをはね返し、改憲勢力の日程を狂わせてきたのが、「九条の会」をはじめとする国民のたたかいです。「九条の会」発足時、「読売」世論調査では「憲法改正」賛成は65%でしたが、今年の同紙調査では42%へ減少、逆に「改正」反対は23%から41%へと増加しました。世論の大きな変化をつくりだすうえで、「九条の会」がかけがえのない役割を果たしたことは明白です。

 「九条の会」の特質は、改憲反対の一点にもとづく自主性と多様性です。戦跡をたどり戦争の悲惨さを語り継いだり、お寺と協力して「平和の鐘つき」をしたりするなど地域の個性を生かした創意あふれる取り組みは、息の長い活動の源泉です。首長や地方議員など保守・革新の区別なく広範な人たちの幅広い共同の場として発展を遂げていることは重要です。ここにこそ改憲を許さない国民多数派を結集する道があります。

歴史的なたたかいへ

 明文改憲ではなく解釈で集団的自衛権行使を容認し9条を葬り去ろうとする現在の安倍政権の暴走は、国民の大きな怒りをかきたて、矛盾を広げてきています。

 10日に2000人が参加した「九条の会」10周年講演会では、安倍政権の9条破壊の暴走を阻むため、全国一斉の共同の取り組みを行うことが提起されました。

 いまこそ地域・職場・学園の「九条の会」が歴史的な使命を果たすときです。日本共産党は「九条の会」の一翼を担って、いっそうの発展のために力を尽くします。


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