「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年5月13日(火)

医療・介護総合法案 地方公聴会で批判・懸念

介護難民生む■サービスに格差

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 医療・介護総合法案を審議している衆院厚生労働委員会の地方公聴会が12日、大阪市と甲府市で開かれました。陳述人から積極賛成の声はなく、批判や懸念が相次ぎました。


写真

(写真)公聴会で陳述する(手前右から)正森、船戸、吉年、藤垣の各氏=12日、大阪市

大阪

 大阪会場で、社会福祉法人「こばと会」の正森克也事務局長は、要支援者への訪問・通所介護を市町村の事業に移す問題について、「(要支援から)要介護になるのを防ぐために創設されたものだ。拙速に移行せず、『予防』効果の検証が必要不可欠だ」と指摘しました。

 特別養護老人ホームの入所者を要介護3以上に限定することについても、高齢者の総合的な生活を支える重要性をあげて批判。一定の所得者は利用料を2倍に引き上げることについても「現状の負担でさえサービスの利用控えが起こっている」と指摘しました。

 日本共産党の高橋ちづ子議員は、専門的なヘルパーに代わってボランティアなどの活用が狙われている問題点について質問。正森氏は「引きこもりなど配慮を要するお年寄りは多い。ヘルパーは質問するのでなく詮索、発見しチームに伝える。ボランティアでは困難だ」と指摘しました。

 介護問題研究会の吉年(よどし)千寿子座長も「専門家の目があってこそ生活支援は成り立つ」と強調。「自治体の財政力によってサービスが低下しかねない」とのべました。

 大阪発達総合療育センターの船戸正久副センター長は「『療育』の視点が欠如している。消費税(増税分)はどこへ行くのか。小児科の切り捨ては困る」と訴えました。

甲府

 甲府市の公聴会では4氏が陳述しました。

 山梨県医師会の今井立史会長は、「在宅医療推進の成否をにぎる医師や看護・介護スタッフなど受け皿は不足しており、(現場からの)ちゅうちょする声は多い」と述べ、「拙速な推進は介護難民をつくり出す。介護サービスが市町村の事業となり市町村間に差がでることは大きな問題点だ」と指摘しました。

 山梨県立大学看護学部の流石ゆり子教授(老年看護学)は、法案の課題として「独居高齢者や老々介護となっている方々など、サービス利用者の声を十分に聞く必要がある」と述べ、要支援1、2の認定者が地域支援事業に移されることについて、「市町村への丸投げでは(市町村の財政事情などから)サービスに格差が生まれる」と指摘。「絵に描いた餅でなく、体制やさまざまなスタッフの研修制度などがどうなっているか、法案の吟味が必要だと思う」と主張しました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって