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2014年5月9日(金)

改憲手続き法改定案 採決

国民不在で深まる矛盾

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 自民党など明文改憲を求める勢力は8日の衆院憲法審査会で、改憲手続き法(国民投票法)改定案の採決を強行しました。同日に開かれた参考人質疑では「慎重審議」を求める意見が相次ぎだされたばかり。こうした国民の声を無視して、国の最高法規である憲法の改定にかかわる重要法案を数の力で押し通すことなど許されません。

国民は改憲求めず

 改定案は衆院でわずか4日間、17時間しか審議されていません。

 自民党などがごり押しする狙いはどこにあるのか―。改憲派議員でつくる新憲法制定議員同盟の大会決議は、安倍晋三首相が狙う憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認を「止(や)むを得ない」としながらも、「憲法改正の動きにブレーキがかかってはならない」と明文改憲の機運がしぼむことへの“焦り”をあらわにしています。

 しかし、そもそも国民は憲法改正自体を望んでいません。「朝日」の世論調査(4月7日付)では「憲法を変える必要はない」が50%。「毎日」が憲法記念日を前におこなった世論調査では、憲法9条改正に「反対」が51%。前年から14ポイントも増え、過半数を超えています。国民は明文改憲にも解釈改憲にもノーの声を上げているのです。

審議でボロボロに

 わずかな質疑を通じても、改定案の問題点が噴出しました。

 その一つは、改定案が7年前の改憲手続き法の審議の際、自民、公明が示していた基本的な考え方さえ根本的に変更している点です。できるだけ多くの国民が国民投票に参加し、自由に意見を表明し、運動できるようにしようという観点は大きく後退しています。

 年齢をめぐっては、18歳以上とする投票権年齢を改定法施行後4年後に先延ばしし、選挙権年齢や成年年齢の引き下げは期限を定めず棚上げしています。

 国民投票運動をめぐっては、裁判官、検察官など特定公務員の運動を禁止し、一般の公務員に対しては、「地位利用」というあいまいな理由で運動を制限している現行法に「罰則」まで加えることを検討。公務員が労働組合などの組織を使っておこなう運動にも規制を加え、国民の自由な意思表明や運動を妨げる内容となっています。

 参考人からも「(18歳選挙権の)実現に危惧をもっている」(特定非営利法人代表理事)、「公務員の政治活動へのいっそうの規制強化が生み出される」(弁護士)など、多くの懸念の声が出されています。

 こうした重大な問題を放置したまま、形だけを取り繕って、とにかく改憲の国民投票ができるようにしようという改憲派の策動は許されません。(佐藤高志)


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