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2014年3月14日(金)

「靖国」派と安倍政権

首相持ち上げ 「日本会議」メンバーの歴史観

黒人差別撤廃は侵略戦争のおかげ?!

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 安倍晋三首相に靖国神社参拝や「国防軍」創設のための改憲を繰り返し迫ってきた「日本会議」などの「靖国」派の歴史観とは、どのようなものなのか。

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(写真)日本のアジア支配拡大にともなう「大東亜会議」(1943年)当時を指して「日本最良の時」と賛美する日本会議の月刊誌『日本の息吹』2013年12月号の対談記事

「大東亜会議」賛美

 「日本会議」の月刊誌『日本の息吹』2013年12月号に、「日本最良の時―大東亜会議と大東亜共同宣言」と題する記事が掲載されています。記事は、東条英機ら当時の日本の戦争指導者と、「満州国」はじめ傀儡(かいらい)政権の「指導者」らとの記念写真を大きく掲げ「日本の近現代史で最良の時」と賛美しています。

 「大東亜会議」(1943年)とは、日本が「アジア解放の戦争」を遂行した“何よりの証拠”として「靖国」派が繰り返し持ち出すものです。しかし実際は、日本の敗色が濃くなるなかで、占領地域との緊密な協力体制をつくるとした「大東亜政略指導大綱」にもとづいて、「満州国」など日本の傀儡国家や日本の支配下で形だけ独立していたアジア諸国の「指導者」らを東京に集めて開催したもの。「大東亜各国は相提携して大東亜戦争を完遂」(大東亜共同宣言)すると戦争協力をうたわせるなど、「アジア解放」とは正反対のものでした。

 この記事の中で、「日本会議」代表委員の加瀬英明氏(評論家、中曽根内閣当時の首相特別顧問)は、旧日本軍による侵略戦争・植民地支配を「アジア解放、有色人種解放の大東亜戦争を戦い抜いた結果、戦後、アジアだけでなくアフリカにも次々と独立国が生まれました」などとし、黒人差別撤廃で「オバマ大統領が誕生したり、ゴルフのタイガー・ウッズやテニスのウィリアムズ姉妹が活躍できるのも、実は日本のお陰」だなどという驚くべき逆立ちの主張までしています。

総裁選で再起促す

 安倍晋三首相がNHKに送り込んだ経営委員で、閣僚宅放火や「朝日」東京本社での立てこもり・拳銃自殺などのテロ事件を引き起こした右翼活動家を賛美して問題となった長谷川三千子埼玉大学名誉教授も「日本会議」の代表委員。同氏は『日本の息吹』(13年10月号)で「我が身を捨てても、我が国、天皇陛下のために尽くす」のが日本国民だとして、「本土決戦」で命を落とす精神を賛美するなど、とても「わが国を代表する哲学者」(安倍首相)とは思えない思想の持ち主です。

 同じく安倍政権の人事案にもとづいてNHK経営委員となった作家の百田尚樹氏は、安倍首相との対談で「安倍首相に是非とも(靖国神社を)参拝していただきたい」(『日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ』)と直談判しています。

 都知事選に出馬した田母神俊雄元航空幕僚長への応援演説(2月3日)で百田氏は、「南京大虐殺はなかった」「東京裁判は米軍が大虐殺をごまかすためだった」と述べたほか、日本軍による宣戦布告なしの真珠湾攻撃(41年)についても、米国によるベトナム戦争などを示し「20世紀において宣戦布告があってなされた戦争というのはほとんどない」と合理化しました。

 12年の自民総裁選で安倍氏に再起を求めた「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発起人には、田母神氏や百田氏に加え、長谷川氏ら「日本会議」役員6人も名を連ねていました。


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