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2014年3月13日(木)

きょうの潮流

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 おじいさんが森で落とした片方の手袋。そこに、ネズミやカエル、ウサギやキツネ、オオカミやイノシシ、クマまでが仲良く入り込む―。大自然のなかの生き物を叙情豊かに描いたウクライナ民話「てぶくろ」です▼青い空と果てなくつづく金色の麦畑。ヨーロッパの穀倉といわれるほど恵まれた大地や森をもつウクライナ。東は大国ロシアと接し、西は欧州諸国とつながり、南は黒海を挟みアジアに通じる。昔から文明の交差点でした▼さまざまな民族が移り住んだ歴史。小ロシアと呼ばれたロシア帝国の時代には、独自の言語や文化活動は禁止。ロシア革命後にウクライナ化政策が進みましたが、スターリンによって再び弾圧と粛清の嵐が吹き荒れ、大飢饉(ききん)にも見舞われます▼第2次世界大戦後も旧ソ連下でロシア化に苦しめられ、ようやく独立を果たしたのは23年前。その後も欧州連合の枠組みに加わるのか、ロシアとの関係を重視するのか、そのはざまで揺れてきました▼いままたロシアから軍事的な圧力を受けています。黒海に突き出たクリミア自治共和国の分離、ロシアへの編入をめぐって。憲法を無視し、非ロシア系の少数民族との話し合いもなく住民投票で決められようとしています▼主権と領土が侵されつづけてきたウクライナ。自然あふれる大地の民は文学をはじめ、心豊かな文化をはぐくんできました。多様な民族が協調し、共存していく、平和で美しい国づくりは長年の願いだったはず。他国の干渉はそれを妨げるだけです。


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