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2014年2月24日(月)

主張

14年度軍事予算

アジアの緊張招く軍拡やめよ

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 自民・公明の与党は今月末にも、2014年度政府予算案の衆院通過を図ろうとしています。消費税大増税や社会保障改悪などと並び、予算案の大問題は、2年連続で増額となる軍事費(防衛関係費)です。日本を「海外で戦争する国」にする集団的自衛権の行使をにらみ、安倍晋三首相が掲げる「積極的平和主義」を具体化する第一歩です。この問題一つとっても、予算案の抜本的な組み替えは不可欠です。

集団的自衛権も視野

 安倍政権は昨年末、初の「国家安全保障戦略」を策定し、「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を「基本理念」としました。安倍首相は、「国際協調主義」の中心は日米同盟であり、「積極的平和主義」を支えるのは集団的自衛権の行使であるとの考えを示しています。憲法9条の縛りを解いて、海外で米国と肩を並べて戦争できる国にするという重大な内容です。

 安倍政権は国家安保戦略に基づき、新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画(2014〜18年度)」も同時に決定しました。新「大綱」と「中期防」の初年度となるのが14年度軍事予算案です。

 「大綱」は、政府がこれまで基本理念にしてきた「専守防衛」を後景に追いやり、陸海空自衛隊が一体となって海外派兵など多様な作戦を迅速かつ継続的に行う「統合機動防衛力」の構築を打ち出しました。具体的には、海外派兵にも即応できる機動師団・旅団や海から陸に“殴り込み”をかける水陸機動団などの新設を打ち出しました。「中期防」は、「大綱」を具体化したもので、5年間で総額24兆6700億円の軍拡計画です。

 14年度軍事予算案は、一般会計で前年度比1310億円(2・8%)増の4兆8848億円です。「東日本大震災復興特別会計」に盛り込まれた371億円を合わせると、4兆9219億円に上ります。13年度補正予算(14年1〜3月)にも1197億円が計上されており、これを含めた「15カ月予算」では5兆416億円となります。深刻な財政難の中で異常な突出ぶりです。

 中身も非常に危険です。

 「島しょ防衛」を口実にして、敵地への上陸侵攻作戦を主な任務にする米海兵隊をモデルに、「水陸機動団」を速やかに「戦力化」するため準備隊(仮称)を創設します。水陸両用車を前年度に引き続き導入(2両17億円)し、同車両を搭載できるよう大型輸送艦3隻を改修します。米海兵隊が保有する垂直離着陸機オスプレイの陸自への導入経費を15年度予算に計上するための検討も本格化します。

 米海軍主催の環太平洋合同軍事演習「リムパック」に陸自部隊が初めて参加します。米海兵隊とともに上陸作戦の実施も視野に入れています。

「敵基地攻撃能力」も

 新「大綱」と「中期防」は、「敵基地攻撃能力」の保有も目指しており、14年度予算案はその先取りといえる措置が含まれています。最新鋭ステルス戦闘機F35の導入(4機638億円)やF2戦闘機の対地攻撃能力の精密化をはじめ、無人偵察機の保有まで検討しようとしています。

 周辺諸国との軍事緊張を高め、東アジアの平和な環境づくりに逆行する軍備拡大の予算案強行はやめるべきです。


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