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2014年2月23日(日)

集団的自衛権「5要件」

自衛権発動との矛盾消えず

安保法制懇

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 政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が4月にも提出する報告書の概要と、「戦争する国」づくりへの法整備の道筋が見えてきました。

 法制懇の北岡伸一座長代理(国際大学長)は21日の記者会見で、歴代政権が憲法上、禁じてきた集団的自衛権の行使を可能にするための「5要件」(別項)を報告書に盛り込む考えを示しました。その上で、閣議決定による憲法解釈の変更が望ましいとの考えを示しました。

 さらに、政府解釈の変更を受けて、周辺事態法やPKO(国連平和維持活動)協力法といった既存の海外派兵法の改定も明言しました。周辺事態法では、集団的自衛権を行使できないという建前上、米軍に対する自衛隊の支援は「後方地域」に限られています。この解釈を変更して、戦闘地域での日米共同作戦に道を開く狙いです。

 ただ、安倍政権の思惑通りに進む保証はありません。

 政府は憲法9条の下で武力行使=自衛権を発動できるのは、(1)急迫不正の侵害(2)他に適当な手段がない(3)必要最小限―に限っています。これに対して集団的自衛権は、日本以外の他国への武力攻撃があった場合に発動されます。「自衛のための必要最小限を超える」というのが政府見解です。北岡氏は自衛権発動の3要件は「変更できない」と述べ、現時点でこの矛盾を乗り越えられないことを認めました。

 また、海外派兵を無原則に認める「国家安全保障基本法」については、与党内の調整もあり、「時間がかかる」との見方が政府内で強まっています。周辺事態法などの個別法改定を先行させるのはそのためです。

 さらに、閣議決定による解釈変更については、政府による恣意(しい)的な解釈変更を許すことになり、改憲派からも「立憲主義を脅かす」として危惧(きぐ)の声が相次いでいます。

集団的自衛権「5要件」

(1)密接な関係にある国が攻撃された場合

(2)放置すれば日本の安全に大きな影響が出る場合

(3)当該国からの明示的な支援要請がある場合

(4)第三国の領海通過では許可を得る

(5)首相が総合的に判断して国会承認を受ける

「戦争する国」づくりの法整備の流れ(北岡伸一氏の想定)

 4月 安保法制懇が報告書を提出

〜6月 閣議決定で憲法9条解釈を変更

秋以降 周辺事態法、PKO法、自衛隊法改定

12月 日米軍事協力の指針改定


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