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2014年2月5日(水)

介護保険 在宅サービス締めつけ

利用限度額引き下げ

厚労省方針

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 安倍政権が介護保険を改悪して市町村に委ねようとしている「軽度者」向けの在宅サービスについて、利用限度額を最低水準の「要支援1」よりさらに引き下げようとしていることが4日までにわかりました。十分な在宅サービスを受けられない高齢者が続出することは必至です。

 現在は要介護度ごとに、1割の自己負担で使える在宅サービスの限度額が設けられています。最も低いのが要支援1(月に4万9700円)で、要支援2(10万4000円)の半分、要介護1(16万5800円)の3分の1です。限度額を超えた分は全額自己負担になります。

 安倍政権は、要支援者向けの訪問・通所介護を介護保険サービスから外し、市町村の事業に移したうえで、要介護認定を省いて市町村のサービスを利用するよう申請者を誘導していく方針です。

 本紙に対して厚労省老健局振興課は、要介護認定を受けずに市町村サービスを使う人の限度額については、要介護度が不明なので従来の限度額が適用されなくなると認めたうえで、「ばらばらにならないよう、国のほうで一定の基準を示す」「要支援1以下にする方向で検討している」と説明。具体的な限度額は「政省令で定める」とし、介護保険改悪法案が成立した後、自治体向けの「担当者会議を開催する中で示す」という考えを明らかにしました。

解説

重度化し経営も打撃

 厚労省はこれまで、「要支援1」「要支援2」と認定されている人が新たな市町村サービスを使う場合には、利用限度額を従来通りにすると説明してきました。

 しかし、認定を省いて市町村サービスを使う人を増やしていく思惑が明らかになっており、その限度額が「要支援1以下」になれば、サービス量が減り、本来の半分や3分の1しか利用できない人が続出することになります。認定を受ければ要支援2や要介護1などに該当するはずの人まで、「要支援1以下」の限度額を適用されるようになるからです。

 市町村任せの低水準のサービスさえ、まともに受けられなくするものです。

 サービス利用の締め付けで、国は費用を縮減する強力な道具を手に入れます。十分な支援を受けられない「軽度者」は重度化し、訪問・通所介護を提供している介護事業所も大打撃を受けて介護職員の待遇が低下します。

 市町村などの窓口で認定を受けるかどうかの振り分けを行う仕組みの導入や、認定を省く場合のサービス利用限度額について、厚労省は昨年末に介護保険改定に関する意見書をまとめた社会保障審議会部会で説明していませんでした。重大な問題を国民に伏せたまま制度改定を進めることは許されません。 (杉本恒如)

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