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2014年2月4日(火)

TPP「聖域」  やはり保証なし

米国以下の関税求める

米TPA法案

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(写真)TPA法案の1ページ目

 環太平洋連携協定(TPP)交渉は、次回閣僚会合を22日からシンガポールで開く方向で調整されています。それに先立ち、米大統領に貿易促進権限(TPA)を与えるため、米上下両院の超党派の有力議員が1月9日提出した法案の動向が注目されています。法案は、農産物交渉で「(相手国の)関税を米国と同じかそれ以下に削減する」ことなどを求めています。

 日本共産党の山下芳生書記局長は1月30日、同法案を参院本会議の代表質問で取り上げ、米大統領がそうした条件を課せられるもとで「聖域」が守られるか、安倍晋三首相の考えをただしました。

 米国では、通商権限は議会にあります。議会が大統領に指針を与えて交渉を委ねるのがTPAです。大統領がTPAなしに協定を結んだ場合、議会は協定の修正や再交渉を求めることができます。TPAを与えた場合は、協定を修正できず、承認するかしないかの判断だけを下します。

 TPAは2007年に失効し、その後の大統領はTPAなしに交渉してきました。今、TPA法案が提出されたのは、TPPのほか、米国と欧州連合(EU)の環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)などの交渉を推進するためです。

 提出された107ページの法案には、広範囲にわたる議会の要求が明記されています。農産物貿易では、「米国の輸出品の市場機会を減らす(相手国の)関税その他の負担を決まった期日までに削減または撤廃する」「関税を米国と同じかそれ以下に削減する」「米国の輸出品の市場機会を減らす補助金を削減または撤廃する」ことなどを列挙しています。そこでは、日本を含む相手国の「センシティビティー(重要品目)」を考慮していません。

 山下書記局長は、日本の精米輸入関税が1キロ当たり402円であるのに対し、米国では日本円換算で1円ほどであることを挙げ、「米国と同じかそれ以下」なら事実上の関税ゼロになると指摘しました。安倍首相は、TPA法案について、「コメントすることは差し控える」と答弁を回避しました。

 TPP交渉参加を強行するにあたり、安倍首相は「センシティビティーが存在することを認識しつつ」とした日米共同声明を根拠に、「『聖域なき関税撤廃』が前提でないことが明確になった」と強弁しました。しかし、議会が法案で大統領に示した指針は、安倍首相の説明がまったく成り立たず、「聖域」を守れる保証がないことを改めて示しました。


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