2013年11月14日(木)
失職後4カ月以内に仕事か職業訓練
若者雇用EU保証
首脳会合 予算6兆円確認
【パリ=浅田信幸】オランド仏大統領は12日、若者の深刻な失業問題に対処するためパリのエリゼ宮(大統領官邸)に欧州連合(EU)の首脳を集めた会合を開き、雇用促進策をアピールしました。
7月のベルリンに続く2回目となった会合では、雇用支援システムを来年1月1日に立ち上げ、向こう3年間に計450億ユーロ(6兆円強)の予算をあてることを確認しました。
オランド氏は記者会見で、「一世代の未来がかかった問題だ」と若者の失業対策の重要性を強調し、EU28カ国のうち24カ国の首脳が参加した会合に、「課題にふさわしい参加があった」と発言。バローゾ欧州委員長は失業対策は「具体性と速やかな成果が必要だ」と強調しました。
雇用支援システムは、学業を終了あるいは失職した若者に対し、遅くとも4カ月以内に雇用か職業訓練などの具体的な活動に就くことを保証しようというもの。各国が年内に具体策をEUに提出することが確認されました。
このために来年から始まるEUの中期予算から60億ユーロ、欧州投資銀行(EIB)から180億ユーロ、欧州社会基金(ESF)から210億ユーロを、向こう3年間に拠出することになります。
欧州統計局によると、9月時点でEU域内の25歳未満の若者560万人が失業しており、EU全体では失業率は23%。最も深刻なギリシャ、スペインでは57%前後の高率に達しており、経済の堅調な北欧や南米諸国に「移住」する若者も珍しくありません。