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2013年11月8日(金)

きょうの潮流

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 立冬(りっとう)がすぎました。木枯らしが落ち葉を散らし、本格的な冬の到来を告げます。冷えた体に鍋料理がうれしい季節。大地の恵み、海や山の幸。旬の食材を、あつあつで味わえる喜びです▼近所に、土鍋料理が人気の食堂があります。顔見知りの店主の機嫌が、なんだか悪い。聞けば、メニューや食材について問いただすお客が増えたといいます。「あれだけ偽装がひろがれば、疑いたくなるのもわかるけど…」▼ホテルのレストランから大手百貨店。次から次へ、際限なく出てくる食の虚偽表示。まるで責任が集中しないこの機を逃すな、といわんばかりのかけ込みです。あまりのひどさに、消費者庁も関係業界に対応策を報告するよう求めました▼怒りに輪をかけているのが「偽装ではなく誤表示」と言い張る姿。値段が安い材料を高いものに書き換え、もうける。なんという倫理観の欠如でしょう。法に触れないからと、こんなことが許されては偽りと欺きがまかり通るだけです▼産地偽装には消費者だけでなく、生産者も憤ります。おいしく食べてもらおうと、心をこめてつくり、手間をかけて採ってきた食材を勝手放題に汚されたのですから。食を通して培ってきた長年の信用が崩されてしまいました▼命をつなぐだけでなく、食は、社会や人間への信頼をもとに築かれてきた文化です。それを裏切った罪はとても重い。世の中に蔓延(まんえん)させた不信感や失われた信用を取り戻すためにも、食に携わる自覚をもち、はびこった偽を一掃しなければ。


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