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2013年10月28日(月)

NHK日曜討論

山下書記局長代行の発言

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 日本共産党の山下芳生書記局長代行は27日、NHK「日曜討論」に出席し、経済・雇用・賃金について、各党の政策担当者と議論しました。


経済情勢

景気回復に実感なし 消費税増税中止の一点で共同

 現在の経済情勢について議論になり、自民党の棚橋泰文政調会長代理は「経済はゆるやかに回復基調」などと述べました。これに対し山下氏は次のように述べました。

 山下 時事通信の世論調査でも、「景気回復を実感する」が18%。「実感しない」は76%です。なぜか。賃金が減っているからです。1997年をピークにして、労働者の平均年収は70万円も減りました。安倍内閣になっても、15カ月連続で減っています。こういう時に消費税を5%から8%に増税し、国民の所得を8兆円も奪ったら、暮らしにも景気にも大打撃となります。

 日本共産党は、今後の消費税のあり方では意見の違いはあっても来年4月からの消費税増税は中止する、この一点で力をあわせようと法案骨子も発表しました。一致できる各党と共同提案をよびかけたいと思っています。

賃上げ

内部留保の活用迫るべき 非正規雇用の拡大やめよ

 賃上げについて自民、公明、維新、みんなの党は、「新しいビジネスができれば賃金も上がっていく」(棚橋氏)「企業がまず収益を拡大させ、賃金や雇用につなげる」(公明・石井啓一政調会長)「岩盤のような規制を取っ払うべき」(維新・桜内文城議員団政調会長代理)と大企業支援を強調。山下氏は指摘しました。

 山下 「企業がまず収益を」というのは逆だと思います。大企業の内部留保270兆円の1%を活用すれば、8割の企業で月1万円の賃上げができる。非正規の社員の時給も引き上げることができる。これを政府として、経済界に正面から提起すべきだと求めてきました。先週、わが党の小池議員が質問したら、安倍総理も内部留保の活用について、私からもお願いさせていただきたいと答弁されましたから、ぜひ強烈に企業側に賃金の引き上げの実行を迫っていただきたい。

 同時に、非正規雇用が2000万人を超えて、働く人の4割にもなっていることが賃金低下の最大の要因だと政府も認めています。ところが、一方で派遣労働や有期雇用をいっそう拡大しようとしている。こんな支離滅裂はやめるべきです。

 日本共産党は、若者をモノのように使い捨てるブラック企業を規制する法案を国会に提出しました。自民党も民主党も、参院の代表質問で、ブラック企業を問題にされておりましたので、ぜひ、これ、一緒にやろうじゃありませんか。

復興特別法人税廃止

法人税減税は賃金に回らず 賃上げと安定雇用こそ必要

 政府が消費税率の引き上げと合わせ、復興特別法人税の前倒し廃止など大企業減税を行おうとしていることについて、司会の島田敏男解説委員は批判があることを指摘、山下氏の考えを聞きました。

 山下 大企業の法人3税(法人税、法人住民税、法人事業税)の負担率は、97年の4割台から現在2割台まで下がっているんです。しかし大企業で働く人の賃金は50万円減りました。増えたのは内部留保と株主配当と役員報酬です。ロイターの調査でも、法人税減税を何に振り向けるかという問いに、賃金と答えた企業は5%。雇用も5%です。一番多かったのは、内部留保で30%ですから、法人税減税しても賃金上昇にまわらないのは、はっきりしています。

 国民の所得が増えて国内の需要が活性化しなければ、企業も新たな設備投資には踏み出せません。企業の内部に余った資金が積みあがるだけですから、日本経済にも企業経営にとっても正常ではありません。賃上げと安定した雇用の拡大で内需を活発にしてこそ、企業も経済も健全に成長できる。あわせて、雇用の7割をになっている中小企業を応援すべきだと思います。

 公明・石井氏は「非正規の正規化をうながすとともに非正規の処遇改善をめざす」などと発言。山下氏は次のように発言しました。

 山下 非正規の正規化とおっしゃいましたけど、来年に派遣法の大改悪が考えられております。これは派遣の期間制限を撤廃して、ずっと派遣労働で一生働いてもらおうということです。有期雇用だって5年で正社員というのを10年にのばそうとしている。ますます非正規を拡大しようとしているのが今の安倍内閣ですから、正規への転換なんてまったく逆です。

 石井氏は「これから検討する課題です」などとごまかしました。

戦略特区

規制緩和の突破口ねらう「解雇特区」は認められない

 安倍政権が経済政策の柱とする「国家戦略特区」について議論となり、「経済を成長させる起爆剤にする」(棚橋氏)「後退させずにやっていくべき」(みんなの党・中西健治政調会長代理)「地域限定では志が低い」(桜内氏)と発言。山下氏は次のように主張しました。

 山下 大店法を撤廃して全国各地の商店街はシャッター通りになった。雇用の規制緩和で若者の2人に1人は正社員になれずに苦しんでいます。派遣の自由化を進めてきた結果であり、賃下げ社会の一番の要因になっている。国民の命と暮らし、雇用と中小企業を守るために必要な規制までなくしたら絶対だめだと思います。国家戦略特区は、新たな規制緩和を全国で展開するための突破口にされようとしています。雇用では、首切りも長時間労働も自由にできる「解雇特区」が提案されました。医療でも、保険が使えない医療、つまり金持ちしか受けられない医療を増やす「混合診療」特区が提案されました。こんなものが全国に広がったら殺伐とした社会になってしまう。人間らしく働ける社会、安心して医療を受けられる社会をつくるべきだと思います。

 これに対し「失業なき労働移動の実現」(棚橋氏)「副作用は慎重に検討する必要がある」(石井氏)と言い訳。山下氏は次のように指摘しました。

 山下 国家戦略特区のワーキンググループの資料に、有期雇用の特例、解雇ルールの明確化、労働時間ルールの適用除外とある。雇用に関する規制をとっぱらって、首切り自由の地域を認めようという中身になっているから、「解雇特区」と報道がされているんですよ。

TPP

公約違反、秘密交渉ただちに撤退せよ

 環太平洋連携協定(TPP)については自民党の重要5項目の検討が議論となり、自民が「死活的利益守る」(棚橋氏)とごまかす一方、各党は「国益守るよう努力を」(民主・桜井充政調会長)「しっかり勝っていくべき」(桜内氏)「すすめていくべき」(中西氏)と主張。山下氏はこう述べました。

 山下 重要5項目を聖域にするというのが公約ですから、そこに穴を開ける検討をしているというのは、完全な公約違反です。丁寧な情報提供というのも約束でしたが、野党が国会にTPP特別委員会を設置するように求めたのに対し、与党は“秘密交渉だから国会でも答弁できない”といって拒否しました。まったく秘密になっているわけです。平気で公約を破り、秘密の交渉を進める、こんなものを誰が日本経済のためだと信用できますか。農業だけではなくて、医療や食の安全、全部かかわってきますから、ただちにTPP交渉から撤退すべきだと思います。


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