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2013年10月17日(木)

読者の質問に答えます

消費税「大企業は負担しない」って?

すべて下請け・消費者に転嫁

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 読者から「大企業は消費税を負担していないといいますが、納税していないのですか」という質問をいただきました。

 大企業は税務署に消費税分を納税しています。しかし負担はしていません。大企業は、価格支配力があるので、消費税をすべて消費者に転嫁することができるからです。

負担は誰が

 消費税の場合、「払うこと」と「納めること」、「負担すること」は違います。消費者は買い物のたびに「消費税分」を含んだ価格を支払っています。もちろん大企業も仕入れの際には「消費税分」を支払う形になっています。

 一方、消費者は消費税を税務署に「納める」わけではありません。消費税の納税義務者は事業者と定められているからです。課税売上額が年間1000万円超の事業者であれば、販売で受け取ったとされる消費税から仕入れにかかった消費税を引いた額を税務署に「納めて」(仕入れ税額控除)います。

 問題は消費税を「負担」しているかどうかです。財務省の説明によると消費税の「税金分は事業者が販売する商品やサービスの価格に含まれて、次々と転嫁され、最終的に商品を消費し又はサービスの提供を受ける消費者が負担する」「事業者に負担を求めるものではありません」となっています。つまり消費者だけが負担する税金という建前になっているのです。

割引と競争

 販売価格に消費税分を転嫁できる大企業と違い、中小規模企業や下請け業者の場合は、取引先との力関係によっては「消費税分の割引」を求められることがあります。小規模な小売業者であれば、スーパーなど大規模店舗との競争上、消費税分を値下げして販売せざるを得ないこともあります。

 販売の際に消費税分を受け取ることができなかったからといって、税務署に消費税を納めなくてよくなるわけではありません。結局、業者が本来受け取るべき「もうけ」(適正利潤)から消費税を納めることになります。

 中小企業4団体(日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会)の調査では、消費税が引き上げられた場合、販売価格に転嫁できるかとの問いに、売上高1000万〜1500万円の企業では71%が「転嫁できない」と回答。1億〜2億円という比較的大きな規模でも半数が「転嫁できない」です。

 また、消費税が8%になった場合の年間負担額は平均24万8953円(年収685万円)です。とりわけ年収200万〜250万円の世帯では年収の7・6%(17万940円)、250万〜300万円の世帯で5・6%(15万4245円)となるなど低所得者層ほど重くなるのです。

 消費税増税は事実上、大企業にとっては痛くもかゆくもない一方で、消費者と中小業者には耐え難い負担を押し付けるものとなります。

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