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2013年9月25日(水)

米軍輸送機が低空飛行

首都圏の住宅地上空で旋回 基地で物資投下

横田基地

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 在日米軍横田基地(東京・多摩地域5市1町)所属のC130戦術輸送機が、関東平野上空で危険な訓練を実施している実態が明らかになってきています。住宅地上空での低空飛行や編隊飛行、基地上空でのパラシュート降下など、横暴勝手な飛行を繰り返しています。(佐藤つよし)


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 日本共産党の塩川鉄也衆院議員は9月1日、日本グライダークラブの吉田正理事長、鈴木重輝理事らと懇談しました。その際に提供された資料には、米軍が関東平野の広い範囲をC130輸送機の訓練飛行ルートにしていることが、克明に記されてありました。

 その資料は、米軍が民間の小型機パイロットやオーナーを対象に実施した航空機空中衝突防止会議で使用されたスライドのコピーです。それによると、成田、羽田両空港の管制空域や民間航空路、自衛隊の訓練空域などを避けるように米軍が設定した「有視界飛行訓練空域」のなかを、飛行訓練ルートが網の目のように張り巡らされています。範囲は、西は伊豆半島、富士山周辺、南アルプス、八ケ岳、東は茨城県常陸大宮市辺りにまで及びます。

 一方、塩川議員が資料を入手する前に、同議員のよびかけで、北関東各県の共産党や平和団体は監視行動を実施。その結果は、その後入手した資料に示されたルートで訓練が行われている実態を裏付けるものでした。監視活動を行ったのは、8月19日です。その日、C130は、埼玉、群馬、栃木の各県で、住宅地上空での低空飛行や6、7機での編隊飛行、旋回などの訓練を行い、横田基地では物資投下訓練をしました。

 党埼玉県北部地区委員会の柴岡祐真副委員長は、事務所のある寄居町上空を6機編隊で飛行するC130輸送機を目撃。「この日は編隊飛行だけでしたが、日常的に、北東の深谷、熊谷市方向での旋回や、町内の小高くなっている八幡山すれすれを飛行したり旋回したりするのが、住民に目撃されています。本当に自由勝手に飛んでいます」といいます。深谷市では、小学校めがけて急降下するようすも目撃されています。

 なぜ、米軍機は、首都圏上空でこのような危険な飛行訓練を許されるのでしょうか。

 「航空機の運航」について規定した航空法は第6章で、最低安全高度以下での飛行(第81条)、編隊飛行(84条)、物件の投下(89条)、落下傘降下(90条)は原則禁止で、国土交通大臣許可がなければできません。運航上必要ない低空飛行や急降下などの粗暴操縦は禁止(85条)しています。

 しかし、この航空法第6章の規定は、日米安保条約と地位協定に基づく航空法特例法で、在日米軍には適用除外となっています。

 一例をあげると、最低安全高度以下での飛行に関する航空法第81条の適用除外です。同法航空法施行規則第174条は、最低安全高度を、▽人家の密集地域では半径600メートルの範囲内で最も高い障害物の上端から300メートルの高さ▽人や家屋のない地域や水面では人や物件から150メートルの距離で飛行できる高度▽その他の地域では地表・水面から150メートルの高さ―と定めています。ところが米軍C130の訓練空域の最低飛行高度は、在日米空軍が公表した同空域の資料でも地上から152メートルで、航空法に基づく人家の密集地での最低安全高度の半分とされています。

 このように、在日米軍はどんな危険な飛行をしても、日本の国内法に基づく規制も受けなければ、届け出る義務もないのです。

 「米軍機には日本の航空法が適用されないのはおかしい」。塩川議員と懇談したグライダー協会の鈴木理事は、こう訴えました。

「米軍特権」をやめさせるとき

共産党の塩川議員

 C130が低空飛行を繰り返す首都圏は、横田・厚木・入間など米軍・自衛隊の航空基地が集中立地。近年スカイレジャーやドクターヘリが普及し、空中衝突の危険性が増しています。背景には、安保条約による米軍への基地の提供、アジアへの関与を強める拠点としての日本国内の米軍基地強化があります。安保条約に基づき横暴勝手な飛行を許す「米軍特権」をやめさせるときです。いま自治体によるC130訓練飛行反対、CV22オスプレイ配備反対の意見書提出や自治体が米軍・防衛省に米軍機飛行の情報提供を求める活動が広がっています。行政を動かす住民運動と力を合わせたい。

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