2013年9月8日(日)
社保審
「受診制限」盛る
診療報酬改定で方針
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の医療保険、医療両部会は6日、医療機関に支払われる診療報酬の改定(2014年度実施)について、「社会保障と税の一体改革」に関連する分野の基本方針をまとめました。「長期入院の適正化」や「医療機関の機能分化」、「かかりつけ医機能」の「充実」の名による“患者追い出し”や病院再編、受診制限などを盛り込みました。
基本方針は、看護師などの人員配置が手厚い「急性期」(緊急・重症な患者を治療する期間)の病床が急速に増え、長期療養患者も入院するなど、「患者の状態に応じた」医療提供や医療費負担になっていないと強調。「急性期の患者の早期退院・転院」や、「急性期病床の平均在院日数の短縮」を行い、医療費を削減する方針を示しました。
また、都道府県が病床数を管理するための「病床機能報告制度」を新設することと並んで、診療報酬改定や補助金を活用することにより、「医療機関の機能分化」を「段階的かつ着実に進める」としました。急性期の病床を削減していく方向です。
外来診療については、「まずは身近なかかりつけ医を受診し、必要に応じて大病院や専門病院を紹介」してもらい、「病状が安定したら、かかりつけ医に逆紹介される」体制を整備すると強調。患者が医療機関を自由に選んで受診できる現在の「フリーアクセス」を大幅に制限していく方針を示しました。
両部会は、「一体改革」に関連しない分野を含めた診療報酬改定全般の基本方針を年内にまとめます。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は、この基本方針と政府が14年度予算編成で決める改定率を基に、診療行為ごとの点数を決定します。