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2013年9月4日(水)

きょうの潮流

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 防災のあり方や災害時の処し方を問い直した関東大震災から90年。しかし、震災後の混乱のなかで権力による犯罪が行われ、隠されてきたことを伝えたマスメディアは少ない▼1923年9月4日夜から5日未明、戒厳令下の東京・亀戸警察署で10人の命が奪われました。警察に依頼された軍隊によって刺殺されたのです。いずれも10代から30代の青年労働者や日本共産党員でした▼彼らは何をしたのか。19歳の北島吉蔵は勤め先の工場長にかけあい炊き出しをさせ、夜も寝ずに被災者の救援にあたっていました。平沢計七は自警団に捕らわれた朝鮮人一家を助け、川合義虎は倒壊した家の下敷きになっていた幼児3人を救い、面倒をみていました▼炊き出しで飢えをしのいだ女性はのちに「北島さんが殺されるぐらいなら、世界の中の良い人はみんな殺されなくてはならないでしょう」と語りました。川合の母タマは「私の子はどんな罪で殺されたのか」と、亀戸署につめ寄ったといいます▼当時、この南葛地域(現江東、墨田区)の労働組合は日本で最も先進的で戦闘的な活動を展開していました。ときの天皇制政府は、その中心メンバーをつぶそうと爪をといでいたのです▼非常時に命がけの献身性を発揮した人間や、罪のない朝鮮人や中国人を虐殺した野蛮な権力。それは、アジアの人びとに多大な苦しみを与えた戦争へと突き進んでいきます。未曽有の災害下で起きた権力の蛮行を忘れず伝えていくことも、あの震災から引き継ぐ教訓です。


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