「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年9月2日(月)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 月が変わっても、猛暑と豪雨は列島から離れてくれません。例年なら、ようやく夏の暑さが収まり、台風に備える時期。富山八尾のおわら風の盆など、各地で風鎮めの祭りも行われます▼何ものにも支配されず、天地を自在に流れる風。その舞のように生きたハンセン病詩人、塔(とう)和子(かずこ)さんが先日、83年の生涯を終えました。10代での発病後、半世紀以上も瀬戸内の離島で隔離生活を送りながら、千編もの詩を紡ぎました▼人間が鬼畜のごとく扱われ、屈辱と病のつらさに慟哭(どうこく)していたという療養所の日々。塔さんのたった一つの喜びは、詩をつくることでした。「魂の尊厳は自由な詩に乗って隔離から羽ばたいていける」▼高見順賞を受けた「記憶の川で」の中にこんな一節があります。「人はいつも 忘れたいと願うことや 覚えておきたいと願う記憶の川を下って 流れの元は忘れていない それを暖める故に あるとき ふっと忘れてかるくなりたいと思ったり 折り重なる思い出の上に豊かにいたいと思ったりするのだ」▼自分の本質から湧き出てくる言葉を追求し、「生」の実感や感動をつづってきました。ぬきさしならない運命と孤独を背負わされた者として、誕生のときから人が背負って生きている現実を見つめ、作品にしてきたといいます▼国の強制隔離政策によって、差別され、人権を奪われつづけてきたハンセン病患者。“病み棄(す)て行政”のむごさや怒りを胸に、光をもとめ、人間としての叫びを詩に託した塔さんの一生でした。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって